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美佳は覚悟を決めたように衣服を脱ぎ始めた。
松陽「美佳!!止めなさい!!美佳!!」
『松陽先生…ごめんなさい、少しだけ目を閉じていてくれませんか?
すぐに終わらせますから…』
舌なめずりをしながら近づいてくる天人に身体を預け、美佳は悔しさで流れ落ちる涙を堪えながらその恥辱に耐えた。
満足したやつらは最後の別れの時間だと松陽の錠を外し、乱暴を受け身体に力の入らない美佳を地べたに転がしたままその場を去っていった。
松陽「美佳…」
『先生…ごめんなさい、今着替えますから…』
松陽に背を向け、身体に鞭を打ちなんとか着替えをするとそれを見ていた松陽から声を掛けられた。
松陽「美佳…ごめんなさい。頼りな『松陽先生…先生が無事で良かった。』
謝る松陽の言葉を遮るように涙を流しながら精いっぱい笑顔を作り松陽の方を振り返った。
それでも、こんな汚れてしまった自分の身体を松陽に近づける勇気はなかった。
松陽「こちらへ。」
美佳は下を向いたまま首を振る。
すると松陽は立ち上がり、美佳の前に座ると彼女の肩に手を置いた。
松陽「数年ぶりに会ったのです。
顔をよく見せてください。」
『先生…』
震えながら顔を上げると、松陽は優しく彼女を抱きしめた。
松陽「大きくなりましたね。そして美しくなった。
銀時たちがヤキモキしているのではないですか?」
昔と変わらない松陽の優しい声に涙が溢れて仕方がない美佳はただ泣く事しか出来なかった。
松陽「銀時たちは元気ですか?相変わらずケンカばかりしているのでしょう?
まったく…女性らしくしなさいと言ったのに、刀を振り回して…帰ったら4人纏めてゲンコツですね。」
松陽「…お腹が空きましたね。美佳、あなたもろくに食べていないのでしょう?
帰ったら久しぶりにみんなで夕餉にしましょうね。
しばらく料理をしていないので、上手く作れるか分かりませんが…
でも、小太郎のおにぎりよりはマシだと思いますよ。」
松陽「そうだ、晋助とはどうなりましたか?
あの子は昔からあなたのことが好きでしたから…
あっ、もしかしたら言ったらダメでしたか?
だとしたら、晋助に怒られますね。内緒にしておいてくれますか?」
松陽「…美佳、そろそろ返事をしてください。ひとりで話して居るのは寂しいです。」
『先生…うるさいです。』
松陽「ハハハ、すいません。久しぶりにあなたを見たら、色々聞きたくなってしまって。
すいません、すぐ帰ると言ったのにこんなにも時間が経ってしまった。」
静かに涙を流す松陽の目元を美佳はそっと拭った。
『帰りましょう、先生。銀時たちも皆待ってます。』
それから一晩中今までのことを話し、松陽は美佳や銀時たちが受けて来た痛みに涙を流した。
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