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綺麗な髪の毛をした可愛い女の子はいつの間にか綺麗な髪の毛はそのままに綺麗な女になった。
寺子屋に来た日から「銀ちゃん、銀ちゃん」と馴れ馴れしかった。
それでも、ニコニコ笑うアイツは可愛かった。
鬼と呼ばれた俺を恐れる事もなく、他の子供とは違う銀髪も赤い目も綺麗だと言ってくれた。
こんな俺を外見で判断することなく受け入れてくれたのはアイツらだけだった。
松陽先生とアイツとついでにヅラと高杉と…普通の幸せを実感していたのに、そんなものもあっけなくなくなってしまった。
先生が居なくなった焦燥感とアイツがやせ細っていく不安とで俺の中もぐちゃぐちゃになった。
アイツまで居なくなったら、俺はどうしたらいいんだろう。
またひとりぼっちの夜を過ごすんだろうか…そんなのは嫌だった。
何より、先生とアイツらのあの時間が恋しかった。
剣術を覚え、強くなったアイツ。
俺たちを護ろうと必死に剣を振るい、血にまみれ泣きながら帰って来るアイツをただ見守ることしか出来なかった。
もう俺たちには普通の幸せなんて持つことなんて出来ない。
俺たちの手は汚れすぎた。
だったら、汚れたもの同士バカやりながら生きればいい。
背負った罪を互いに支え合いながら生きればいい。
アイツが居たから、生きようと思った。
先生の代わりに、アイツと生きようと思った。
俺が居ねぇとまたすぐ泣きまくるやつだ。
俺が隣で支えてやらないと…
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