─────---- - - - - - -
『全ちゃん、お菓子は?』
服部「あいにく全ちゃんは駄菓子屋じゃなくて忍者だから持ってねぇよ。」
『んじゃぁ、ひとっ走り行って来て。全ちゃんなら30秒で戻って来れるでしょ?』
服部「あのね、俺がいくら走るの早いからって、こっから1kmはあるスーパーまで30秒で行けるわけねぇだろ!!」
『5分あったら行ける?』
服部「まぁ、5分なら…あっ、しまった!!」
『ンフフ〜よろしくね!』
あやめ「あっ、全蔵!納豆も!!」
妙「お酒も!!」
神楽「明日の朝ごはんも買って来いヨ〜!」
沖田「その前に晩飯だろぃ。寿司でいいですぜぃ。」
服部「はぁ!?そんなにいっぱい持てる訳ねぇだろ!!」
土方「じゃぁ、山崎も付きあわせるから。」
服部「自分らが付いてくる頭はねぇんだな!お前たちは!!」
結局なんだかんだで、服部と外で待機させられていた山崎は買い出しへと向かった。
『トッシー、たばこちょうだい。』
土方「あ〜?お前吸うのか?」
『ん〜ちょっと疲れた。』
土方「…無理して話す必要はねぇんだぞ。」
『や〜んトッシーが優しい
』
土方が煙草を差し出すと、一本取り、ふ〜っと息を吐き出す。
その姿に男性陣ならずとも見惚れてしまう。
神楽「タバコ美味しいアルか?」
『ん〜?美味しいってか…ガス抜き的な?』
神楽「美佳姉、ガスはお尻から出すアルヨ。」
『美佳姉はお尻からガスは出ないのよ。』
沖田「姉さん…ちょっとそりゃぁキツイですぜ?」
妙「あら、私も出ないわよ。ねぇ、猿飛さん。」
あやめ「大人の女なら常識ね。」
新八「あんたら…。そう言えば、銀さんと桂さんは?えらく大人しいけど…」
土方「桂さん?」
新八「あっ、いや、カツーラさんの聞き間違いですよ!!いやだなぁ、土方さん。」
『あの2人は互いの愛を確かめあってるから、邪魔しない方がいいよ。』
あやめ「なんですって!!ちょっと!!銀さぁぁぁぁん!!!」
面白がって、台所に見に行った連中をよそに、土方と妙だけはその場に残って美佳の様子を見ていた。
妙「本当に大丈夫なの?」
『うん…まぁ、思い出すのは辛いけど、もう昔のことだし。
それに、皆にはちゃんと知っておいて欲しかったから。』
妙「本当に強いのね、あなたは。
でもね、美佳ちゃん。せめて私達の前ではその重たい鎧外してちょうだい。
まだ知り合って短いけれど、私は貴方のことを大切な親友だと思っているわ。
私達の前で無理して笑う必要はないのよ。」
土方「てめぇの安っぽい作り笑いなんざ駄々漏れだ。
我慢して無理して笑わねぇで、泣きたい時は思いっきり泣いたらいい。
辛い時は辛いと、悲しい時は悲しいと…助けて欲しい時は助けてくれと言えばいい。
俺たちも、万事屋のガキ2人も、そんな弱かねぇんだよ。
てめぇひとりの過去背負ったくらいじゃ倒れやしねぇんだよ。」
『お妙ちゃん、トッシー…私ね…』
沖田「姉さん〜!!見てくだせぇ!!旦那がとうとう男色の道に!!」
銀時「もうやだ…俺の純潔返して…お嫁に行けない…」
近藤「お妙さん…お嫁に貰ってください!」
妙「要りません。」
近藤「そんなはっきりと!!」
あやめ「ちょっと!このクソロン毛!!何勝手に銀さんの唇奪ってんのよ!!」
桂「ハハハハ!銀時の唇とったどーーー!!」
神楽「銀ちゃん、大丈夫アル。きっとそのくらいの浮気、美佳姉なら許してくれるネ。
お母さん、一緒に謝ってあげるから、ほら、一緒にゴメンナサイ、しよ。」
新八「いつからお母さんになったんだよ、神楽ちゃん。」
さっきまでのしんみりムードはどこへやらで騒がしくなる。
そんな彼らに美佳はやっぱり話をして良かったと笑う。
← →
2/16
←contents
←main
←top