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響き渡る女性陣の泣き声に美佳はふ〜と息を漏らす。
『ちょっと休憩にしない?』
新八「神楽ちゃん、姉上、さっちゃんさんも大丈夫ですか?はい、ティッシュ…」
3人は奪い合うようにティッシュを取ると、豪快に鼻をかみ始める。
服部「色気もくそもあったもんじゃねぇな。」
あやめ「うるさいわね!!しょうがないじゃない、だって…あんなことって…」
そして、美佳の話を思い出したかのように3人はまた泣き始める。
美佳はそっと立ち上がると、台所にお茶を汲みに行った。
銀時「美佳…」
『ん〜?』
桂「大丈夫なのか?」
『うん、いつかは皆にちゃんと話しなくちゃと思ってたし。
それにもう昔のことじゃない。』
そう言うくせに、彼女の顔はやはりどこか悲しげだった。
小さい頃から我慢する癖がついている美佳は周りに心配を掛けまいと辛い時でも無理をして笑う癖がある。
しかし、銀時たちにしてみればそれが無理しているなど、簡単に分かってしまう。
銀時は無言で美佳を抱き寄せると、きつく彼女を抱きしめた。
そして、桂も反対側から彼女を抱きしめる。
『んん〜〜〜!!苦しい!!』
桂「俺たちの愛だ、愛。」
銀時「ヅラ、てめぇ、あっち向け。なんで俺の方に顔を向けんだよ。」
桂「愛だ、愛。」
銀時「お前の顔が目の前にあると、お前をハグしてるみたいで嫌なんだよ。」
桂「だから、愛だと言っているだろうが!!」
銀時「てめぇの愛なんて要らねぇんだよ!!」
桂「なんだ銀時、恥ずかしがる必要はないぞ。」
銀時「うっせぇ!!おっさんの顔を間近で見たくねぇんだよ!!」
桂「まったく恥ずかしがりやさんだな、銀時は。ほら、来い。」
銀時「何を嬉しそうに両手広げて待ってんだ!あいにく俺の両手は埋まってんの!」
なんだか楽しそうな2人を放って、美佳はお茶を持って、部屋へと戻った。
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