─────---- - - - - - -
翌日から美佳は努めて気丈に振る舞った。
心配してくれる彼らにこれ以上心配はかけたくなかった。
連中の手の感触も息遣いも全部記憶に残っている。
出来る事なら、すべてを消し去りたい。
でも、そんなことが出来るはずもない。
そのことを思い出さなくて済むように、一生懸命に笑顔を作った。
1ヶ月ぶりに戻って来た美佳に志士たちも安堵の表情を見せた。
彼女の怪我の具合を見れば、何があったのか想像に容易い。
それでも気丈に笑う彼女に彼らも普通に接した。
坂本「ほんに強いの〜おんしは。」
『そりゃぁ、バカ兄貴を3人も持ってれば強くもなりますよ。』
坂本「金時たちのことか?」
『そ〜。バカだけど、優しい兄貴。
辰馬は従妹のお兄ちゃんね。』
坂本「なんでじゃ。ワシも優しいじゃろ?」
『女は帰れって言ったの忘れてませんから。』
坂本「アハハハ!!厳しいのぅ。」
『でも、信頼してるよ、辰馬のことも。』
坂本「ほうかい、そんなら何よりじゃ。
美佳、もう布団に入らんか。身体にさわるき。」
『…晋ちゃん、帰って来るの待ってる。』
坂本「心配せんでも、高杉なら大丈夫じゃ。
アイツには鬼兵隊がついちゅう。」
遠征に出ていた高杉は予定であればその日に戻ってくるはずだった。
しかし、日が暮れても戻って来ない高杉に美佳は不安気な表情を見せる。
待つと言って聞かない美佳を桂に預け、坂本は銀時と出発の手はずを整えた。
しかし、いざ高杉等鬼兵隊の救出に向かおうとしたとき、鬼兵隊の一人が無事に戦に勝利し、現在こちらに戻って来ていると伝達にやって来た。
その情報に一同は安堵したのだが、朝早くに到着した鬼兵隊は怪我人も多く手放しで喜べる状況ではなかった。
そして、そんな中で1番傷を負っていたのが高杉だった。
鬼兵隊総督として、鬼兵隊の兵士たちを守りながら、大将の首を狙う。
そんな役割を担う彼は誰よりも傷を負う。
『晋ちゃん…』
高杉「…美佳、んな泣きそうな顔してんじゃねぇ。
いつぞやの怪我に比べりゃこんくらいかすり傷だろ。」
『何がかすり傷よ!お腹斬られてるのに!!』
高杉「こんくらいすぐ治る。それより、俺が居ない間何もなかったか?」
『うん。大丈夫。』
高杉は久しぶりの美佳と戦の興奮からか、美佳を抱き寄せるとそのまま彼女を抱いた。
傷を癒すように、美佳は高杉の傷口に口づけを落とし、互いの体温を確かめるように2人は夢中で抱き合った。
そしてその翌日、怪我の完治までにはしばらく時間がかかると思われていた高杉は普通に起き上がっていた。
銀時「…あのチビ、回復すんの早すぎだろ。」
桂「アイツは身長こそ小さいものの、身体は丈夫だからな。」
坂本「いやいや、いくらなんでも早すぎじゃ。」
高杉の回復力に一同驚きの表情を見せたが、それ以外は特に変わったこともなかった。
しかしそれから、何度かそのようなことがあり、銀時たちの中に仮説が立つ。
そしてそれが確信に変わり始めた時、美佳の身体に異変が起きる。
身体が火照りどうしようもない。自分で抑えようとも治まらない。
息も荒くなり、赤い顔で銀時たちを見る美佳に彼らも男の性を抑えられなくなった。
3人で交代で彼女の相手をしたのだが、いつもの美佳とは違い、積極的に行為に及ぶ彼女に彼らは不安を覚えた。
← →
10/11
←contents
←main
←top