─────---- - - - - - -
それから辰馬とは相変わらずの平行線で、口を利くことも少なかった。
「自分の身は自分で守る。」辰馬に言われたからじゃない。
女である私を無下にするでもなく受け入れてくれるあいつらの邪魔にはなりたくない。
辰馬のことは気に食わなかったが、辰馬がやって来たことで武器や食料の調達はやりやすくなった。
商家のボンボンだとは聞いていたが、子どもの頃から家の仕事を見て居ればそういうことも得意になるのかと感心した。
そのうち辰馬を入れた4人の名はどんどん有名になっていった。
白夜叉・狂乱の貴公子・鬼兵隊総督・桂浜の竜…四天王と呼ばれるようになった4人は戦の場で攻撃の的になった。
それでも、4人の力は圧倒的。
この調子なら攘夷も夢ではないかもしれない…志士たちの間では4人に任せておけばなんとかなると気の緩みも出て来た。
そんなある夜。
敵の大将が寝泊まりしている小屋を発見したとの情報が入った。
晋助たち鬼兵隊は夜間の奇襲作戦を得意としていることもあって、素早く準備を整えた。
しかし、今回の敵の大将は天人。
鬼兵隊だけでは抑えきれない数の兵士を擁していたため、銀時たちもそれぞれの兵を連れ奇襲作戦の助っ人に入ることになった。
高杉「いいな、刀は常に握っていろ。」
『もう分かったってば。晋ちゃん、過保護すぎる。』
高杉「何かあってからでは遅いじゃねぇか!」
大多数の兵が奇襲作戦に参加するため、晋助の心配はいつも以上だった。
桂「高杉、心配せずとも美佳はそこらへんの奴では敵わん。
それより、もうそろそろ時間だ。行くぞ。」
『…気を付けてね。』
毎日、毎日…彼らを送り出すときはどうしても不安になってしまう。
それでも、できる限りの笑顔で彼らを送り出す。
不安気な顔を少しでも見せれば、余計に心配をかけてしまうから…
兵たちの先頭に立ち、男の顔をして出て行く彼らの無事をいつまでも祈り続けた。
≪終≫
← →
10/10
←contents
←main
←top