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新八に促され、泣く泣く布団を後にした銀時。
銀時「んぁ〜ねみぃ…」
わざとらしく今起きたような素振りの銀時に新八はため息をつく。
神楽「銀ちゃん、何してたアルか?ずっと呼んでたのに…」
銀時「何って寝てたに決まってんだろ。昨日のあれで銀さん二日酔いなの〜。」
神楽「美佳姉は?」
銀時「あ、あいつはまだ…」
『神楽ちゃん、新八くん、おはよう。』
神楽「あっ、美佳姉!おはようアル!!」
新八「…おはようございます。」
あらぬ姿を目撃してしまった新八は気まずそうに目を逸らした。
美佳と銀時が身支度を整えると、やっと朝食の時間だ。
神楽「新八〜たまごないアルか?たまごかけごはん食べたいアル!」
新八「あっ、ゴメン。買ってくるの忘れちゃった。」
神楽「え〜〜〜!!食べたいアル〜!!たまごかけごはん食べたいアル〜〜〜!!!」
新八「明日買っておくから。」
神楽「嫌アル〜!!!」
銀時「あぁ〜もう、うるせぇよ。そんなに食いたきゃ買ってくりゃぁいいだろ。」
神楽「新八、買って来いアル。」
新八「なんで僕なんだよ!!自分で買ってこいよ!!」
朝から騒がしい万事屋の様子を美佳は微笑ましそうに見つめた。
新八「…美佳さん、すいません、うるさくて。食事が進みませんよね?」
神楽「違うアル。新八の飯がマズいある。」
新八「そんな言い方することないだろ!!自分はたまごかけごはんしか作れないくせに!!」
『ほらほら、ケンカしない。美味しいよ、新八くんのご飯。手料理ってやっぱりいいね。』
普段、自分の手料理を散々に言われる新八は珍しく褒められ、嬉しそうに笑った。
銀時「なんだおめぇジジくせぇ事言うなぁ。」
『え〜そう?独り身の辛いところはそこじゃない?』
新八「美佳さんは独り身なんですよね?…その〜モテそうなのに。」
『新八くん、夜はそれなりに楽しませてあげる自信はあるけど、単純に考えて、私みたいな嫁欲しい?』
銀時「自覚はあんだな、一応。」
『まぁな。』
銀時「ちったぁ、焦ること覚えような。」
『一生結婚できなさそうな銀時には言われたくありません。』
銀時「いいの、銀さんは自由気ままにその時出会ったいい女とワンナイトラブを楽しむ派だから。」
『よく言うよ。そのワンナイトラブだって長らく楽しめてないくせに。』
銀時「そんなことありません〜!銀さんこれでもモテモテなんですぅ〜。」
そんな言い争いをしている2人を見ながら、さっきの2人の光景を思い出した新八はなんとも言えない複雑な気持ちになっていた。
大人になるというのはそういう事なのだろうか。
たとえ好きだとかなんとかそういう気持ちがなくても、お互いにムラムラしてればそういう事をしてしまうのだろうか…
大人ってそんなもんなんだろうか…生粋のチェリーボーイの新八には到底理解もできなかった
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