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『ぎ・ん・と・きぃぃぃぃぃ💗💗』
そして、当の彼女はソファに寝っ転がる銀髪の男に向かって飛びつこうとしていた。
『…んっっと〜あぶなっ。』
美佳が男の上に飛び乗った瞬間に後ろからくないが彼女の頭目がけて飛んで来たのだが、その気配を察知した彼女はなんなくそれを避けた。
『あれ、ゴメン、銀時。かばい切れなかった。』
見ると彼の額にはくないが突き刺さっていた。
「ちょっと!!!どきなさいよ!!
何、勝手に私の銀さんの上に乗ってるのよ!!!」
どうやらくないを投げた張本人らしい忍者装束の女が天井から降りて来た。
『私の銀さん?銀時の奥さん?』
「やだ、奥さんなんてそんな💗
ま、まだ結婚はしてないのよ?そりゃ、いずれはそうなるけどっ、ほら、やっぱり結婚って大きな決断じゃない?だから…」
忍者の女がツラツラと話続けるので、美佳は華麗に無視を決め込み、銀時と呼ばれた銀髪の男に抱き付く。
『銀時〜💗』
銀時「お前…おっぱいがだいぶ育ったな。」
『んもぅ、銀時ってば💗
相変わらずのおっぱい星人なんだからっ💗💗』
銀時が体を起こすと美佳はそのまま銀時の足の上に座る。
新八「ちょっと!!なんしてんすか、あんたら!!そ、そんな…破廉恥な!!!」
桂「ん〜美佳は男にまとわりつくのがクセみたいなものだからな…」
「おい、お前!!何者アルか!?
銀ちゃんの何アルか?とりあえず、なんか食い物寄越せアル!!」
新八「ちょっと神楽ちゃん、突っ込むとこそこ!?
さっちゃんさんもずっと喋ってますけど誰も聞いてませんよ!!…それと、えっと…とりあえず、服をちゃんと着ろ、そこのバカ!!」
『ん?私?』
新八「そんな人前で胸ほとんど丸出しなのお前しか居ねぇだろ!」
『だって〜、男はおっぱい好きでしょ?』
新八「そ、それは…」
桂「美佳、それは違うぞ。見えないエロスというのも存在するのだ。
見えそうで見えない、それこそ男の探求心を刺激するのだ!!」
なんだか収集がつかなくなったその場で、ただ銀時だけが呆然としていた。
新八「もう下ネタはいいです!とにかくあなた誰なんですか!?銀さんの何なんですか?」
『あぁ〜!ごめんなさい、自己紹介が遅れました。
朝日奈美佳と申します。
銀時の…童貞を美味しく頂戴した女です♪』
銀時「おいっっ!!ちげぇだろ!?」
『だって銀時、あんときチェリーだったじゃない。』
銀時「バカ野郎!!あん時だって今だって銀さんは立派な男だった!」
『ふ〜…まぁ、そういう事にしてやろう。』
「銀さんの…銀さんのチェリー!?銀さん…あぁぁぁぁ!!!」
『うるさっっ!!』
銀時「つか、お前はなんでここに居んだよ。何してんだ!!」
『え〜久しぶりに会ったのにもうちょっと喜んでくれてもいいじゃない。』
「銀さんの…銀さんの銀さんを美味しく味わったですって?
ちょっと…詳しく教えなさいよ。どうなのよ!!」
銀時「お前はうるせぇよ、黙っとけ!!!」
『んと、銀時の奥さん、お名前は?』
銀時「奥さんじゃねぇ!!」
「あっ、申し遅れました、坂田銀時の妻、坂田あやめです。さっちゃんって呼んでね。」
銀時「坂田じゃねぇだろ!!猿飛だろ!!!」
『さっちゃん。よろしくね〜。私も美佳って呼んでくれていいから。
あっ、これね、お土産。どうぞ。』
「これ食べてもいいアルか?全部食べてもいいアルか!?」
『もちろん。えーっと…』
「神楽アル!」
『よろしく、神楽ちゃん。』
美佳はあっという間に女性陣と打ち解けていた。
新八「それで、一体どうしたんですか?銀さんの初めての方が…」
銀時「だから初めての相手じゃねぇって!!」
桂「まぁ、俺の初めては美佳だったがな。」
『コタもなかなか美味しかったよ』
新八「えっ!?」
銀時「えっ!?お前、それをここで暴露すんの!?」
新八「なんだこの乱れた攘夷志士たち…何が侍の生き残りだよ…」
桂「まぁ、そんなことより銀時。」
新八「そんなことじゃねぇだろ!!」
桂「美佳は住むところがないそうだ。ここに住まわせてやってくれ。」
神楽「えっ、美佳姉、ここに住むアルか!?やったぁ〜!!」
新八「ちょっと待ってください!
桂さんもご存知のようにうちには仕事もなくて、その日の食事もままならないんですよ。ね?銀さん?」
『キャァァッ!!可愛い何このもふもふ
』
神楽「定春アル!」
『定春くんって言うのか〜。かわいい〜』
新八「おい!そこのあばずれ女!!お前の事だろうが!!!とにかく、ほら…行くところないなら桂さんのとことか…」
桂「男ばかりのところに美佳みたいなのを置くとなると…あんなことやこ〜んなことを…」
新八「そ、それは…じゃぁ、さっちゃんさんのとことか…」
猿飛「え〜うちに女が居たんじゃ、銀さんを連れ込む時に何かと邪魔じゃない?」
銀時「心配するな、そんな事は絶対あり得ないから!!」
新八「いや、でもここもほら定員オーバーだし、ね?」
『新八くんは〜お姉さんが居ると嫌?』
得意のお色気攻撃で新八に迫ると、新八は目を回した。
『心配しなくても、自分の事は自分でちゃんとやるわよ。
どこぞの銀時と違ってこう見えてもそこら辺はちゃんとしてるから。』
桂「心配いらないぞ、新八くん。
美佳は外見こそ派手だが、しっかりしてるから。」
新八「全然そうは見えませんが…」
神楽「も〜うるさいアル!!別に新八はここに住んでるわけじゃないネ!!
銀ちゃんがいいって言ったら、いいアル!!」
新八「銀さん…」
銀時「ん〜まぁ、いいんじゃねぇの?
でも、働かざる者食うべからずだかんな?
自分の飯くらい自分でどうにかしろよ?
お前はこいつらと違ってガキじゃねぇんだからな。」
『はいはい。』
猿飛「間違っても銀さんに手出すんじゃないわよ!」
『ん〜手を出すって…例えばこんな事?』
銀時「うぉっふ…おぃ…どこ触ってんだ、てめぇは!!」
猿飛「ちょっと!!!」
神楽「よ〜し!!そうと決まれば、歓迎会アル〜♪」
桂「あれは止めなくていいのか?」
神楽「あんなの銀ちゃんがどうにかするネ!」
神楽の言葉通り、銀時が喚きまくるあやめを投げ飛ばし、静かになったところで、
歓迎会をするため下のスナックお登勢に向かう面々だった。
連中が下に降りて行ったのを確認した美佳と銀時は改めて向き合う。
銀時「…おかえり。」
『ただいま、銀時。』
銀時が優しく彼女を抱きしめると、彼女もそれに応じた。
そこに言葉はなかった。
ただ互いの胸の鼓動が心地よかった。
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