─────---- - - - - - -
男たちを署まで連行し、俺たちは屯所へと戻って来た。
神楽「お腹空いたアル〜!!」
「万事屋のみなさん!お疲れさまでした。どうぞ沢山食べてください!」
銀時「おぉっっ!!豪勢じゃねぇか!かぁ〜やっぱ役人様は違うねぇ。」
新八「ちょっ、2人ともみっともないですよ!!」
山崎「にしても初めて旦那がまともにやってるとこ見ましたけど、もう凄いの一言でしたよ!!」
「俺も俺も!!万事屋の旦那、今度稽古つけてくださいよ!!」
近藤「おぉ、お前らお疲れ!!」
銀時「なぁにがお疲れだ。局長のくせに何サボってやがんだ。」
騒がしい食堂に美佳の姿が見えなかった。
様子を見に食堂を抜け出し屯所内を探して回った。
最後に行きついたのは俺の部屋。
土方「美佳…居るのか?」
暗い室内で目を凝らすと部屋の隅の方で横になっている美佳の姿があった。
起こさないように布団を引っ張り出して、美佳を抱き上げる。
今度はちゃんと抱き上げることが出来た。
こんな小さな体のどこにあんな強さがあるんだろう。
身体的な強さだけではない…芯の強さも…
そして仲間を信じる気持ちの強さも…
あの時、美佳は迷わずひとりで突っ走った。
万事屋の連中が後ろに居るから安心だと笑った。
それに、あの時あいつらが動いたのは、俺たちが女たちの救出をしやすくするため。
あの一瞬であいつらは美佳のやろうとしたことを理解したとでも言うのか…
小さな身体で必死に俺たちや全然知らない女たちを守った美佳。
土方「…ありがとう。」
やっと絞り出した声は小さくて、その代わりに抱き上げた美佳の身体を強く抱きしめた。
銀時「ひ〜じか〜たく〜ん。何してんの?ねぇねぇ、何してんの?」
沖田「なんてこった、真選組副長が婦女暴行とは…」
銀時「沖田くぅん、すぐしょっぴいちゃって。そんでもって即刻死刑にしちゃって。」
土方「ちがっ…」
『ん…』
うるさそうに顔をしかめた美佳を慌てて布団の上に下ろした。
銀時「寝てんのか。」
沖田「…旦那、姉さんは剣握るとあんな感じなんで?」
銀時「あぁ…こえぇだろ。男ばっかのとこで育って、攘夷戦争なんか参加しちまったからな。
なんか頭に来るときはあんな感じになる。そんで終わった後はこんな風に爆睡だ。」
そして3人して布団の上で安心して眠っている美佳の顔を見つめた。
沖田「…綺麗な髪ですねぃ。」
口には出さなかったが、なんとなくこのバカ共と考えていることが同じだと感じた。
ただただ…この手のかかる女を守りたいと思った。
≪終≫
← →
14/14
←contents
←main
←top