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早めに仕事をあがらせてもらい、桂はとある場所へと向かっていた。
『んで、どこに行くの?私の知ってる人のとこ?晋助?…はなんか悪さしてんだっけ。辰馬は〜宇宙をフラフラでしょ。』
桂「やけに詳しいな。」
『私の仕事忘れたの?嫌でも耳に入ってくるわよ。つか、この間、辰馬にあったんだよね。それで聞いた。』
桂「やつは元気にしてるのか?」
『相変わらず、声がデカかった。』
桂「そうか、元気そうで何よりだ。」
『んで、どこ行くの。』
桂「お前が一番会いたいやつのところだ。」
『…なんだそれ。』
桂の言葉に思い当たる人物が居るのか、美佳はバツが悪そうに顔を背けた。
桂「隠さずともよい。お前がどんな役目を負っていようと、お前と銀時の気持ちなど皆気が付いていた。
なんとかそれだけは守りたかったが、それも叶わなかった…お前たちには一番辛い思いをさせてすまなかった。」
『……何、コタ女の子の日なの?
昔っから、男にしちゃぁ綺麗な顔してるとは思ってたけど、とうとう女になったのかぁ。
女の子の日は気持ちも落ち込んじゃうもんね。
しょうがない、しょうがない。
今日はお姉さんがゆっくり話聞いてやるから!』
桂「いつまで、引きずるんだ、その女の子の日ネタ!!俺は女の子ではない!桂だ!!」
そんな思い出話をしている間に、目的の『万事屋銀ちゃん』と看板がかかった建物に着いていた。
慣れた様子で桂がチャイムを鳴らす。
桂「すいませ〜ん。銀時くん居ますか〜?」
「いませ〜ん。」
桂「すいませ〜ん。銀時くん、居ますか〜?」
「いませ〜ん。」
桂「すいませ〜ん。ぎんと…」
「もう!銀さん!!桂さんでしょ?」
「いいんだよ、ヅラなんてほっときゃぁ。」
「ヅラ〜茶菓子置いて帰れヨ〜。」
桂「す…すいませ〜ん。」
居留守とも呼べない雑な扱いを受けた桂が半ば涙目になっていると、やっと玄関が開いた。
「桂さん、すいません。お待たせして。どうぞ...お帰りください!!」
桂「待て、一体どうしたんだ、新八くん!!
万事屋の良心の君がどうしてそんな冷たい事を!!」
新八「あんたがどうしたんだ!!
あんたここをホテルかなんかと勘違いしてませんか?なんなんですか、その…その…おっぱ…じゃなくて、その隣に絡みつく女性は!!」
新八と呼ばれた青年の言葉に桂は思い出したように、手を叩く。
桂「あぁ、そうか。新八くんは初対面だったな。紹介しよう!かの…あれ?」
桂が紹介しよう!と声を上げた瞬間には彼女はもう隣に居なかった。
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