─────---- - - - - - -
土方「世話になったな。」
翌朝、俺たちの身体は元に戻っていた。
沖田「旦那ぁ、姉さんはまだ帰って来ないんですかぃ?」
銀時「あぁ、まぁ、もう少しな。」
沖田「…戻って来たら、連絡くれって言っといてくだせぇ。
甘いもんでもなんでも奢るんで。」
銀時「俺にも奢れよ、クソ野郎。」
神楽「ワタシ、酢昆布がいいネ!」
沖田「おめぇはそこらへんの砂利でも食ってろぃ。」
神楽「なんだとコラぁ!!!」
土方「万事屋、美佳は大丈夫なのか?」
銀時「なぁに、心配要らねぇさ。寝てるだけだから。」
俺たちが屯所に戻ると、俺たちの不在を心配していた隊士たちが駆け寄って来たが、
それを適当に流し、近藤さんを呼び経緯を話した。
土方「俺たちにこんなことをした落とし前はつけてもらわねぇとな。」
近藤「しかし、トシ、大元は分からずじまいなんだぞ。」
土方「ひとりだけ知ってる人間が居る。」
沖田「姉さんですかぃ?でも、戻って来ないってことは姉さんの身に何かあったんじゃ…」
土方「とはいえ死んでる訳じゃねぇだろ。」
沖田「そんな人間まで使える駒は使うたぁ、さすが鬼の副長ですねぃ。」
土方「バカ野郎、だからこそだろう。
借り作ったままじゃ癪だからな。」
珍しく感情的な自分に正直驚いていた。
けれど、美佳はこんな姿になった俺たちを疑いもせず、笑いもせず、困ったときはお互い様だと甲斐甲斐しく面倒を見てくれた。
そして、俺たちの為に身体を張って…そうまでして俺たちを助けてくれた。
ガキの目線だから分かったことがある。
考え込んで下を向いたアイツの顔は悲しそうなやるせない顔をする。
そして、銀時だけはそれに気が付いていた。
アイツはいつも笑っているから。
考え込むのも一瞬で、誰にもその顔を見せないから。
それでも、銀時だけはそれに気が付いていた。
アイツの事はよく分からない。
けど、銀時があんなに心配する理由はなんとなく分かる気がする。
勝手なヤツだから、勝手にひとりで決めて勝手にやっちまうヤツだから…放っておけない。
← →
8/14
←contents
←main
←top