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……君を抱きしめていると、とても幸せな気分になれるよ。今、君は僕の手の内にあるんだなあって。
嫌だ。離さないよ。
大人しくするんだ。
―――これ以上我が侭を言うようなら、理解できるように折檻するよ?
嫌?
僕もフィナが痛い目に遭うのは嫌だ。でも、その痛みは僕の心の痛みなんだよ。
君にも分かって欲しいんだ、僕の事。僕と同じ気持ちになって欲しい。
僕が君無しじゃ生きられないように、君も僕無しじゃ生きられないようになればいいんだ。そうすれば、僕の元から逃げようなんて考えないよね? もっと僕を求めていいんだよ? 依存したって構わない。元々君は、僕の庇護がなければ生きられなかったんだから。
……フィナ? 泣いてるの? 泣いたって、僕以外駆けつける人はいないんだよ? 君の保護者は僕なんだから。僕はもう、ここにいるじゃないか。ねえ。だから安心して?
………。
君は、泣いている顔も可愛いね…………
ん、ごめんね。驚いたよね。
君があまりにも可愛いから、つい。
フフ。接吻にそんなにビックリするなんて、フィナは純情さんだなあ。これからが思いやられるよ。
え? ああ、そういえばまだ言ってなかったね。
僕と君は結婚したよ。
……どういうって、そのままの意味だよ。必要な手続きは全部やっておいたから。
そのうち情報が漏れて、嫌がらせが始まるかもしれない。だから、城の中で――――ああ、言っただろう? 僕は君の後見人だって。君の代理として、法律行為ができるんだよ。婚姻手続きだって、合法的にできるんだ。
あ、離婚の不受理申立てもしておいたから、安心してくれ。君との婚姻を邪魔される事は無い。
何故……って、今の君は結婚可能な年齢じゃないか。婚姻を済ませれば、法的にも君は僕のものだ。生涯の伴侶として……ずっと一緒にいることができる。君に手を出す輩がいれば、法で裁くこともできる。
心配はいらない。僕は全力で君を守る。不安に思う事は何も無いんだ。
幸せになろうね」



END.
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