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#あとがきへ
☆注意!
台本書きだけど、内容は結構真面目だよ!
☆小隊長と親友の比較的マトモな会話
「しっかり情が移ってんじゃねーか」
「諦めてくれたかい?」
「ああ。もう何言っても無駄だな。」
「それは良かった」
「にしても、アイツあの年で泳げるなんてな」
「ああ。帝都は内陸の街で、庶民が水に触れられる施設は存在しない。水泳が出来るのは僕たちのような騎士団で訓練を受けた者か、遊泳場を持つ貴族・・・・」
「シゾンタニアの近くに川はあったけど、結界の外だしなあ。」
「あの川で泳ぐのは、ぞっとしないな」
「だな。となると、漁師の娘って線が濃厚か?」
「だとしても、何故シゾンタニアにいたのか。説明がつかない」
「それは何処の娘さんでもそうだろ。・・・・なら、高名な貴族様の御落胤ってのはどうだ?」
「御落胤・・・・」
「召使いに手を出して生ませたはいいものの、嫁に見つかるとヤバイから、誰も行かないような遠くに捨てさせた」
「だとしたら幸運だったな。アレクセイ閣下が調査隊を派遣する時期と重なったのだから」
「シゾンタニアの調査はアレクセイの指示だったのか。目的は?」
「詳しくは知らない。現状を調べてこいとだけ」
「・・・・やっぱり跡継ぎが必要になって、騎士団に探させた、と」
「流石に飛躍しすぎだろう。閣下にそんな様子は全く無かった」
「お偉いさんが命令をするのに、全部話す必要無いだろ」
「・・・・確かに、彼女は平民の子にしては小奇麗で、色白で、ユーリとは比べ物にならない程綺麗な髪をしていて愛らしいけれど」
「騎士団に子供の世話させる不思議も、貴族の子なら解決。こりゃ当たりだな・・・・っておい。今なんつった」
「ん? フィナはユーリとは比べ物にならないくらい可愛いって言ったよ」
「そーかい。ったく、もう親バカが始まってんのか? 早すぎるだろ」
「・・・・・・・」
「どうした?」
「あ、いや。フィナの着替えが遅いから、どうしたかなって」
「あー」
「おかみさんも神経質だよね。男は入ってくるな、なんて」
「そうだな。あんなちっこい子供に男も女もねーよな」
「だよね。やっぱり様子を見てくる」
「待て」
「何?」
「いや・・・・なんか、お前を行かせるのは危ない気がしてだな」