08/05 04:13 僕の執事A(フェラ

体調も回復の兆しを見せ自宅に帰る目処がついた頃、
今日に至るまで執事はあの晩のことなんて無かったかのように振る舞い続けた。

反面僕はずっと彼を目で追っている、執事はそれに気づかないふりをしていて、どうしたら彼に触れてもらえるのだろう?

ある晩の事だった。
彼の私室の前を通ると灯りが漏れている、なんとなく足音を隠し戸の前まで行くと中からはくぐもった声が聞こえてきた。

「っ…う、……」

いけないとわかっていても部屋を隙間から覗いてしまう。
瞬間自分の肌が一気に高揚するのがわかった。

室内で彼は自慰をしていた、普段の涼しげな顔を悩ましそうに歪めそそり立つものを扱きながら小さく喘いでいる。
思わず興奮で一歩たじろぐと床が軋み執事の身体が跳ねる。

訝しげにこちらをみた執事は僕を確認して目を見開くとすぐに気まずそうに着衣の乱れを正し坊ちゃん?と少し上ずった声で僕を呼んだ。

「…あの」
「こんな時間に如何なされましたか?」
「ごめんなさい」
「…いえ、お見苦しいものを」
「辛くないですか?」

執事は不思議そうに聞き返す。

「あの、それ、さっきまでしてて、僕が邪魔をして…ごめん、大丈夫?」
「なんの事でしょう?」

とぼけているが彼のシーツで隠した下半身が未だ立ち上がったままなのはわかっていて、僕は屈むとそのまま執事のズボンを下ろし中のものを取り出した。

「お止めください」
「辛いでしょう?ね、僕の事、道具だと思ってくれて構わないから」

自分が興奮するままにそれを口に運んだ。
当然こんな行為は初めてだがそれでも彼に奉仕できる喜びから懸命に自分がされて嬉しい事を思い出し歯を立てないよう慎重に咥える。

「ん…ふ、んん」

上目遣いに彼を見ると困惑しながらもその頬は赤く染まっていて必死に閉じている唇がとても愛らしかった。

「んん…」

執事のそんな姿を見て自分もたまらなくなり、自身を取り出して手で弄る。
普通では考えられないくらい興奮しているそこはすでにドロドロで擦るたび水音を立て、彼のものを咥えている音と混ざり合い区別がつかなくなっていく。

口内で執事のものが脈打っている事が夢のようで、いまにも気絶しそうになりながら愛撫を加えていると思わずその先の事も連想してしまった。

褒められて、そのまま、だとか。
怒った執事に酷く、だとか。

いずれもそれは甘美でたまらず腰が震え、気がつけば視界が白み精を吐き出してしまう。

「んっ」

身体を震わせる、
その瞬間硬直していた執事の目が見開かれ彼は慌てて僕を引き剥がした。

「あっ」
「申し訳、ありません」

大丈夫だよ、あなたも辛いでしょう、僕に任せて
色々な単語が浮かんだけれどそれを声にする前に彼は顔を顰め、

「今夜は申し訳ありませんがお引き取りください」

とだけ言い残し僕を部屋の外へ追い出した。

「…あ」

部屋の戸は固く閉ざされもう開く気配はない。
中からは一切の音が聞こえずもう何をしているのかさえわからなくなった。

「ごめんなさい」

もっと上手くやりますから、僕の事が嫌なら目を塞いでいても構わないから、
もう少しだけ触れていたかった、そう思う頃には手遅れで、
膨大な量の後悔を胸に押しとどめながら僕は自室に戻ると、執事のように何事もなかった顔をし眠りについた。
 



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