Days
short
story
0425 ラビビ/たばこ
喫煙者に何故タバコなんて吸うのか?なんて愚問な質問でしかない。
ただ純粋に夢中なだけ。
抜け出せない麻薬。
だから、吸っててもいいんじゃないかと思ってる。
「あれ、ラビ」
アレンが、ふと何か気づいたように鼻を擦る。そして眉間を潜めた。
ラビにうつむかせていた視線をやると、くんくんと二回ほど鼻をすする。
「甘いにおいがします」
「え〜??」
資料から顔を上げてラビが訝しい声をあげた。
「なんだろう、美味しそうなにおい」
「さっき食堂にいたからかね?」
「ぇ〜、ラビもわからないんですか?」
香水とは違うんですよ、とアレンが鼻を擦る。
ラビは首をかしげた。
「なんだろうな?」
「う〜ん、でもいいにおいだし。いつものほこりくささよりましですね」
「わ〜なにげにいつものオレを馬鹿にしてねぇ?」
「はい」
「ひで〜〜〜〜」
あははは、とわからいながら、アレンとラビは再び資料の山に没頭していった。
あまいにおい、
染み付いたように自然に香るから、自分ではまったく気づいていないけど。
ラビに残るのは誰かの残り香。
よくわからない(笑)
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