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short
story

0630 アレ、リナ、クロ、ラビ

■オレたちが、共に過ごした時間は、永遠より永く。






「ラビ…」

 冷たくて、澄んだ風が吹いていた。宿屋の扉を抜けたリナリー・クロウリー、そしてアレンの目の前に現れたのは、代わり映えのないラビだった。
 最初に気が付いたのは、アレンだった。
 吹き荒れる風に乱れる髪を押さえて、粉塵の舞う道なりを遠く見つめていると、同じように風を煙たげに俯く男の姿を見つけた。
 その髪の明朗さ。
 一目でラビとわかった。

 
「ラビ!」


 アレンの言葉に続くようにリナリーとクロウリーが名前を呼んだ。大きな声で名前を呼ばれ、ぽつりぽつりと過ぎ去っていく旅人たちに少しだけ目配せをし、顔をあげたラビが気恥ずかしそうに三人に手をあげた。

「遅れてわりい」
「〜〜っっ大丈夫だったんですかっ?!」
「怪我は?!どこも怪我してないっ?!」

 駆け足で三人と合流したラビは、心底困った顔をし、後ろ頭をかく。
 風が過ぎ去る速度より早く、アレンとリナリーはラビに迫った。

「ぐえっ、ちょ、まって二人とも」
「だって!いなくなっちゃうんだもの!」
「そうですよっっ」

 




:::追記




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