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「名前…なにしてんだコラ」

閑散とした部屋の一角、ソファの上で優雅とまでは言わないがくつろいでいた私に向かって急に現れた人物、というかコロネロが驚いた顔で聞いてきた。
なにって、えーと……

「…コーヒーを飲んでます」

「いやそっちじゃねぇよ。馬鹿にしてんのかコラ」

「なによー、いったい何が不満?」

「人の部屋に勝手に侵入しといて随分な態度だな」

「……今更よ。諦めなさい」

そうして又一口コーヒーを啜る。
其の私の悪気が更々ない態度に諦めたのか、コロネロも肩に掛けていた銃を無造作に置き溜息を吐きながら私の隣に腰を下ろした。
視線がコーヒーに向けられ首を傾げる。
……可愛い。

「ん?どうしたの、そんな可愛らしい仕草しちゃって。ときめいたじゃない」

「……。いや、確かコーヒー切れてただろ」

スルーされた、ちくしょう。

「昨日来た時無かったから今日買ってきたの。気が利くでしょ?」

「……コラ、名前。お前まさか…」

「……貴方が留守の時も来てますが何か」

それを言ったら額を抑えながらコロネロは先ほどよりも深い深い溜息を吐いた。
可愛い。
彼の困った顔を見るのが溜まらなく好きな私は其の表情を見るだけで胸がきゅんきゅんして大変なことになる。
ああ、押し倒してもいいかしら。

「お前…誰にバレるかもわからねぇんだから一人で来るなって何度も言ったろうが、コラ」

「大丈夫。私はそんな堂々としないで寝首をかくように家に奇襲をかけてくるような奴等なんかに負けないから」

「いや、そうじゃねえよコラ」

「なによ」

「お前が強いのは知ってるが心配するのは仕方ねーだろ」

「……鼻血出そう」

「出すなよコラ」

「頑張る」

いつもは顔を合わせる度迷惑そうな顔をするのに時々こう、乙女心擽るというかそんなに襲われたいのかお前と思うような発言をぽろりと出すからやっぱりこう、なんだろうねこれ……
可愛いけど格好いいとかって反則じゃありませんか?

「心配なら心配って素直に言ってくれたらいいのに」

「……絶対やだ。言ったら言ったでお前調子乗るだろうが、コラ」

「ごめんもう乗ってる」

「?!意味が違ェ!なんで俺に跨ってんだよ!つかコラ、ばっ、脱ぐなっ!!」

赤面するその顔に思わずニヤツいた顔をしてしまった。
あ、今の自分顔キモいな。
まいっか。いつものことだし。

「なにさー案外強情ねー。毎日毎日私がこんなにアタックしてるんだからもういい加減オちたでしょ?ていうか私のこと好きでしょ?私も好きなんだからいいじゃん別に。ていうか好き以外の言葉は受け付けないから何言ってもいいけど」

「拒否権ねえじゃねーか!コラ!」

「拒否しなけりゃいいじゃん」

「……オレこんな我が儘な奴初めて見たぜ」

ブラが見え隠れするくらいの際どい隙間を見てコロネロの頬は赤くなった。
初ね、きっとチェリーね。
そんな君も大好きさ!
いい加減言っちゃえばいいのに、もう。

「素直になっちゃってよー。焦らしプレイは得意じゃないんだから」

「……うるせえよ、コラ」

肩を掴まれて倒れ込んだと思ったら唇に柔らかい感触がした。
!!これはっ!

「……お前みたいな女相手出来んのはオレだけだな、コラ」

ああ、もうっ!



乙女のプライド
このままいただきたいと思います!



オレが合い鍵渡した時点で気づけよ!コラ!


2008..


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