はし、と腕が捕まれた。
いつかは来ると思っていたがこんなに速く追い付かれるとは。
「…んで来んだよ」
後ろは振り向かないで乱れる息を隠すように静かに言った。鬼道は呆れたように溜め息をつくと、鬼道も静かに言う。
「…だから何回も言ってるだろう」
好きだと。

…ハァ?だから豪炎寺に告られたんじゃなかったのかよ。
「ッだから、豪炎寺は…」
「なんで豪炎寺がでてくるんだ!」
あぁもう嫌だ。目頭が熱い。
俺ひとりで泣いてるし馬鹿みてぇ。
「…倉庫の、裏で告られてたの…そうだろ…」
言わせんな。
こっちは知ってんだ。
「…おれもお前、すき…なのに、飯んときとか触ってくるし、もしかしたら、とか…」
「思わせ振りみたいなこと、すんな…!」
パタパタッと涙が廊下に落ちた。
あぁ、ついに言っちまった。さぁどうしよう。
「貴様、馬鹿だろう」
「な!」
「俺は豪炎寺なんか好きじゃない。お前だと何回言わせたら気がすむんだ」
「……はぁ」
「倉庫のやつは、あいつがお前の事を好きだと俺に言ってきたんだ。宣戦布告だ。
途切れ途切れにしか聞こえなかったんだろう?」
確かに、途切れ途切れでわかりにくかった。あれは豪炎寺が鬼道に宣戦布告?をしていたところだったのか。
「…ところで貴様、さっき俺を好きだと言ったな?」
ニヤリと口角をあげて笑う顔が怖い。
しかもなんか近付いてくる…。
じりじりと後退りながら、あーやらうーやら言っていると背中に壁が。
もう後ろには行けない、前にも行けない。横には鬼道の手が。
逃げれない…。
「…っ、あー…鬼道クン…?」
「…もう逃がさないぞ?」
そう言った鬼道くんがかっこよくて心臓がどきんと跳ねたことには気付かないふりをした。







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↓本当の『あの』会話

「単刀直入に言う。俺は不動が好きだ」
「俺も不動が好きだ」
「悪いが不動と付き合うのは俺だ。」

的なこと言ってました^p^
『不動は俺の』の言い合いな感じ。