「え、なんて?意味がよくわからないな」

そう言って惚ける南沢さんは、俺にベッドに押し倒されて顔がひきつっている。ぐっと体重をかけて両の手首をベッドに縫い止めたらもう抵抗なんて出来ない。さぁっと顔が青くなっていく南沢さんをニコニコと見下ろしていた。

「聞こえませんでした?シましょうって言ったんですけど」

かぷっと耳に噛み付いてふっと息を吹き掛けると、びくっと体を揺らして上擦った声をあげた。

「南沢さんほんとはシたいんじゃないっすかー?」
「んな、こと…なッ」
「嘘吐き」

きっと南沢さんがこんなに頑なに嫌がるのは、明日は部活があるからだろう。でも嫌がってるのはいつも最初だけだし、もう暫くしたら抵抗するのも諦めるだろう。
追い撃ちをかけるようにもう一度耳に息を吹き掛けると、ついに腕に込められていた力が抜けた。

「南沢さん、ほんと頑固」
「うっせー」

押さえ付けていた手を離してベルトに手をかけた。

「優しくしろよ…?」
「わかってますって」
「いっつもそう言って…」

さぁ先輩、そろそろ唇は塞いでしまいましょうか。










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