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 寒い。うっかりしていた。
 夕方は急激に冷え込みますとお天気お姉さんは言っていたのに、俺はどうしてスルーしたのか。

「あ、あの」
「ん?」

 声がして振り返る。
 ……彼女が、いる。クラスの中ではすごく大人しいのに、気配りが出来て優しい、彼女。

「……その、寒そうだから、これ……」

 手渡されたのは白の可愛い手袋。モコモコしていて、いかにも暖かい感じがする。

「じ、じゃあ」
「あ、ちょっ……、」

 走り去る彼女に、呆然とする。これないとあんたが寒いんじゃないか?
 でも、返すのは何となくなぁ、と思う自分。
 駄目だな。
 完璧にオレ、あんたに惚れてるッス。





(〜2013.3/13 拍手お礼文)




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