「また同じクラスかぁ……。ほんと、気合うよね〜私達」
「あぁ……そうかも、しれないな」
あんたは、そうやっていつも気づかない。
「あ、次移動だ。行こっか」
「あっ……」
いつも先を走るあんたには、分からないことなのか。
それが当たり前なのか。
あの日。高校に入ってすぐ、あんたが話しかけてきたあの日からずっと、俺は我慢してきた。
たまに暴れ出しそうになるこの衝動を、抑えてきた。
でももう、今年は我慢なんかしない。
「クラウド、遅い」
先を行っていたくせに、何故か目の前に立っている。まさか、わざわざ来てくれたのか?
これは、好都合だ。
「……休みの日」
「え?」
「休みの日、どっか行かないか?」
枷はもう、外れかかっている。
それは小さくて、大きな一歩
(〜2012.8/13拍手お礼文)
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