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なんだか何も手につかなくて、失敗ばかりで。
泣くなと言う自分と泣いてしまえと唆す自分に挟まれて、喉の奥がひどく苦しい。


そんな私とは正反対に、からりと晴れた青空には全力で照っている太陽が浮かんでいる。その日差しの全身を焦がすような暑さが、私の体から水分と共に体力を奪い取っていく。気怠い体は溜め息を誘発。やっとの思いで木陰に腰を下ろし、葛藤する自分を落ち着けようと深呼吸をひとつ。


「なまえ」


草の踏まれる音がして、見ると隣には会いたくて、会いたくなかった人。だって今、私はひどい顔してるから。
抱えた膝に顔を隠すように埋めていると、耳に何か冷たいものが触れて、反射的に顔を上げた。


「やるよ」


犯人は彼の手の中の、紙パックのフルーツジュース。ありがとうと言って受け取る時には喉の奥の苦しさとか、何が辛かったかとか、全部なかったことみたいに感じた。


「凄いな、翔ちゃん」


ジュースの水滴が手を濡らし始めて私は一言溢した。独り言のつもりだったけど彼はその言葉を拾い上げて何が凄いんだと訊いてくる。ストローを穴に差し込みながら想起して言う。


「私の好きなものとか、欲しいもの、いつもいいタイミングでくれるんだもん」


「そうか?」


「そうだよ。何でわかるの?」


「何でって―――」


恥ずかしそうに俯いたかと思えば、急に顔を上げて真っ直ぐ私を捉える。どくんと心臓も焦り出す。彼の唇が、動いた。


「…お前のこと、好きだから…」


途端に真っ白になった頭は、引っ込んだはずの涙をもう一度誘発した。
私も、好きなの。それだけを絞り出してただただ泣く私を、戸惑う彼の腕が抱き締めてくれていた。


明日が急に愛しくなっ




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