ff7ac | ナノ




 今日、ライナがレノと街でばったり会ったらしい。
 それから夕食を食べて帰ってきた。


「ごめんクラウド…」


 別に、いいけど。
 言えばライナは「本当にごめんね」ともう一回謝って、俺の夕食の準備を始めた。
 見ていると、俺の視界を包丁が掠めた。



 ――ライナは、俺の彼女。



 でも、離れていく気がしてならない。



 なら、いっそ――



「…何考えてるんだ、俺」
「どうしたの?」


 俺の独り言、聞いてたのか。


「いや、何でもない」
「そっか。あ、あとちょっとだからね」



 ――愛おしい。



 他の男に、会わせないくらい独占したい。



 ふと視線を移せば、そこにはハサミ。



 ――また、大切な人を失うのか?
 ああ、もう…駄目だ――








 それからしばらくして、2人の部屋に訪れたティファが見たのは、薔薇咲かす2人と彼の手に握られた血塗れのハサミだった。










感情制御不能
(もう、抑えられなかったんだ)




→後日談