今日、ライナがレノと街でばったり会ったらしい。
それから夕食を食べて帰ってきた。
「ごめんクラウド…」
別に、いいけど。
言えばライナは「本当にごめんね」ともう一回謝って、俺の夕食の準備を始めた。
見ていると、俺の視界を包丁が掠めた。
――ライナは、俺の彼女。
でも、離れていく気がしてならない。
なら、いっそ――
「…何考えてるんだ、俺」
「どうしたの?」
俺の独り言、聞いてたのか。
「いや、何でもない」
「そっか。あ、あとちょっとだからね」
――愛おしい。
他の男に、会わせないくらい独占したい。
ふと視線を移せば、そこにはハサミ。
――また、大切な人を失うのか?
ああ、もう…駄目だ――
それからしばらくして、2人の部屋に訪れたティファが見たのは、薔薇咲かす2人と彼の手に握られた血塗れのハサミだった。
感情制御不能
(もう、抑えられなかったんだ)
→後日談
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