頂物小説 | ナノ
頂き物小説


 にやけるほどに甘い
※映画ネタバレ注意





「大甘だな」
「ん」

昼食時。目の前に座る仙蔵がそう言って笑った。

「……何の話だ」
「分かっているくせに」

にやにやと笑う様は仙蔵じゃなかったらただの締まりのない顔で終わるだろう。

「んなぁっ?!」
「いいじゃんかケチもんじー」

文次郎の驚きを含んだ声に顔を向けると小平太と何やら騒いでいる。周りの席の下級生は慣れているのか見もしないが、真横の人間としては気になる。

「食べさせてくれたっていいだろ!」
「そ、そんな恥ずかしいことできるかバカタレィ!」

必死に小平太を引き剥がそうとするが小平太も片腕で文次郎の肩を揺さぶって離そうとしない。

「小平太、そんな奴放っといていいぞ」
「んー、じゃあ留が食べさせてくれるのか?」
「あぁいいぜ、食べさせてやる」
「ほんとーかっ!」

今まで揺さぶっていた手を急に外され文次郎が椅子から落ちる。それを見た伊作がどうしたものかと苦笑いをする。

「小平太、まだ治ってないんだから無理しちゃ駄目だよ?」
「えー、私全然ムリしてないぞ」

たった今文次郎が床に接触したのを既に忘れたようだ。

「園田村の戦いは実習の良い訓練になったな」
「あ、あぁ」

食後のお茶をすすりながら仙蔵がまた話始めたので顔を戻す。

「だが、小平太は、なぁ?」
「う、ひぇんひゃん!」
「食べ物を飲み込んでから話そうねっ!」

大方「む、仙ちゃん!」と言いたかったのだろうが。どんだけ詰め込んでくれたんだ留三郎は。

「いいかぁ仙ちゃん!私のこの怪我は敵にやられたわけじゃない!」
「ほぅ?では、誰にやられた?」

ごくんと飲み込むと同時に仙蔵に突っかかるが仙蔵は依然として笑みを浮かべ続けている。

「文次郎だ!」
「はぁ?!」

本日二回目の叫びを上げる文次郎。流石に大きすぎたのか食堂のおばちゃんに注意される。申し訳ない。

「もんじが砲弾をレシーブしたせいだ!」
「しょーがねぇだろあん時は!それ言ったら長次だってトスしたじゃねぇか!」

急に自分に話が振られてきた。あれはトスじゃないと言うのに。

「長次はいいの!もんじは駄目!」
「んだよその理由はぁ!」

今にも喧嘩になりそうな空気。私は小平太を引き寄せる。

「どうした、長次?」
「……あまり騒ぐと傷に障る」
「え?そうかな」
「そうだ」

ぱちぱち瞬きを繰り返す小平太。視界の端に映る仙蔵は今にも吹き出しそう。

「それじゃあ止める」
「……そうしてくれ」

にへらと笑う小平太に釣られて笑うと仙蔵が声を震わせながらみんなに言う。

「じきに昼休みも終わる。さっさと片付けて教室に戻るぞ」

小平太は長次に任せてな、付け足すと同時に席を立つ。これだからこいつは……。

「……お前には負ける」
「何のことだ?」

小平太の皿にはまだ残っている。これを食べさせて私たちも教室に戻らねば。肩を震わせながらお盆を片付ける四人を見ながらそう思った。



***

拝啓 小鳥遊々様

最初にも書きましたが、映画ネタすみません(^^;
まだ見ていなかったら、もう謝り倒すしかありません←


リクエストが長こへ+六年で、『誰かが小平太を甘やかすとか、小平太のことが好きな長次をからかう六年とか』と書かれていたので両方合わせてみました!
うまく噛み合っているかイマイチですが(笑)


相互ありがとうございます、
これからよろしくお願いします!



***

くるぱさんから相互記念の小説頂いちゃいましたぁ!!
くるぱさんお仕事速いですっ凄いですっ!!
なんか変にややこしいリクをした結果が骨折こへたんですよぉぉ!!
私のリクのイメージ以上の話で、くるぱさんの目の付けどころにただただ感動するばかりです。
利き腕を骨折して私生活を仲間に助けられながら過ごす小平太の日常…萌えます///
半分以上は保護者の長次が面倒を見るのですね!!はぁぁ…(鼻血)

素敵な小説を有難うございましたぁ!!
くるぱ。さんこれからも宜しくね♪



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