RKRN小説/短編 | ナノ
作品


 他偽の恋唄

初めて先輩とカラオケに行った。
狭くてうす暗い空間に2人っきりなのを良いことに、長い間心の中で育てていた先輩への想いを今流行りの恋歌で贈ったら

“他人の作った恋言葉なんていらない。そんなものよりお前の言葉が欲しい”

と、あっさり言われてしまった。


余りにも先輩が余裕満々で笑うのが悔しくて


「好きなんです」



何の音もない空間で、小さく呟いた。



⇒END

小平太は案外在り来りな言葉に弱いと思う。


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