お前に出会う為に生まれた
幼い頃から無口で
子供の癖に無愛想で
そんな自分に周りの大人達は嫌気がさして
そして――
厄介払いで此処に入れられた
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「それで留三郎のやつ与四郎の事ばかり話してんだよ」
「…偲んでいるな」
「そんなに好きなら逢いに行っちゃえば良いのにな?」
「…行けない事もないだろ」
「だろ?足柄までだったら数日もあれば余裕じゃん?」
「なぁ、お前ら」
小平太と長次が話していると同組の一人が声をかけてきた。
「お前らの会話って変わってんのな。」
「そうか?」
それに対して不思議そうに小平太が問う。
「そうだよ。 お前らって間逆な性格っぽくて意外に気が合ってるだろ。学園中の皆が不思議がってんだぜ。ま、俺は見てて飽きないけどさ」
そう笑いながら同組の奴は去って行った。
「だってさ。あいつの話の方が変わってるだろ。って長次?」
「…見せつけてやるか?」
この光景を目にした生徒達はみな硬直していた。
小平太が人に抱きつくのは日常茶飯事だったが、今まさに抱きついているのは他でもない長次の方だったのだから。
(幼い頃から無口で)
今は無口ながらも伝える術をしっかり持っていて
(子供の癖に無愛想で)
無愛想に見えて本当は表情が豊かで
(そんな自分に周りの大人達は嫌気がさして)
でも一人、小平太だけはずっと傍にいてくれて
そして
今は此処に存在している意味がはっきり分かっている。
そう、俺は
『お前に出会う為に生まれた』
⇒END
突発的に書きました。
本当はもっと長くてシリアスにするつもりが書いてる自分が虚しくなってきたので路線変更。結果、よく分からない話になっちゃいました。
自分の小説は恥ずかしい…。