RKRN小説/短編 | ナノ
作品


 喧嘩の勝者

「文次郎も留三郎も落ち着けよ」

「うるせぇ!お前は少し黙ってろ」

「今回は小平太が仲介しても無駄だからな」


また始まった。
文次郎と留三郎の些細な喧嘩に偶然傍にいた小平太が巻き込まれてしまった。
この二人の喧嘩は日常茶飯事なので今に始まったことではないが、拳が出る程では問題外。
殴る蹴るの大騒ぎで外傷が出ては後がまずいと小平太は判断し仲介をした矢先の罵声だった。

「だいたい俺は、お前のギンギンに忍者な所が気に食わなかったんだ」

「俺だってお前の武闘派キャラがイラつく」

バキッッ、ボコっっ

「うわぁ……」

ついには互いの胸倉を掴んでの殴り合いが始まってしまった。
早く止めないと大変なことになる…。
二人が怪我をするのは勿論のこと、もしこれを伊作が見たら…

考えただけでゾっとする。
一刻も早く止めなければ

「文次郎も留三郎もいい加減にしろ!!」

頭に血が上る二人を止めるのは正直恐いが、こうするしか他にない。
だが文次郎も留三郎も小平太の忠告に耳を傾けようともせずに相手を殴り合っていた。

文次郎は鼻血を流すし、留三郎は右頬に青痣が出来ている。
いい加減二人の外傷が酷くなり、見るのも痛々しい。


その時、文次郎と留三郎めがけて縄が飛んできた。

「どわぁ!?」

「ひぃっ!?」

「えっ!?」

紐の先を振り返れば其処にいたのはやはりというべきか、長次が立っていた。

「長次!」

「……」

小平太が素早く長次の胸元に駆け寄り抱きつく。
長次はその間無表情だったが小平太の視界に自分の顔が入らないのを確認して、恐い表情で二人を睨む。

「小平太…長屋に帰るぞ」

そのまま長次と小平太は行ってしまった。
校庭には文次郎と留三郎が、世界から取り残されたようにポツンと立ち空くしていた。

「文次郎」

「なんだ」

「俺達、なんで喧嘩してたんだっけ?」

「小平太はどっちのものだ?ってんだろ」

「だよ…なぁ」

「あぁ」


今回の勝者は中在家長次だった。



⇒END

忍ミュ初演で文次郎と留三郎が喧嘩してる後ろでビクってなってる小平太が可愛かったのでつい。ビクビクしてるこへヤバイ、可愛い♪


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