「ぶぁーねさぁぁぁあん!!!」
ぼふん、と勢いよく抱き着けばバネさんこと、黒羽春風はいとも簡単によろけることもなく私を抱きとめた。 途中、うおっとかいう声が聞こえたけどバネさんなら大丈夫と体に回した腕に力を込めた。 なんだよ、と頭上から降りかかってくる声。 あれ、なんかバネさん、前より逞しくなった気がする。
「バネさん、おはよ!」 「おう、はよ」 「あのねバネさん、あの、えっと…」 「ゆっくりでいいから、落ち着け」 「ん、ごめん…で、えっと、そう!」 「ん?」 「バネさん、誕生日おめでとう!」
はい、とカバンの中から綺麗に包装されたプレゼントを手渡した。 ポカンとした顔の後、笑顔を浮かべて「あ、あぁ…サンキュ!」と言った。 ふふふ、と笑えばわしゃわしゃと頭を撫でられた。 きゃー!なんではしゃいでいればバネさんは嬉しそうな声色で「なぁ、これ、開けてもいいか?」なんて聞いてきた。 いいよ、と返せばそそくさと包を取る。
「…リストバンド?」 「うん、バネさんテニスしてるし、邪魔にならないものがいいかなって」 「なるほどな、サンキュ!」 「ううん!あのね、バネさん六角好きでしょ?だからね、赤にしたんだよ!」 「へぇ、中々センスいいな、お前」 「でしょ!?あとね、ほら!」
ぐっと袖をめくって右腕を突き出す。 春くんにプレゼントしたのと同じ色、同じ柄のリストバンドが腕から覗く。
「お揃いか!」 「うん!バネさん、お揃い、いや?」 「嫌じゃねーよ!」 「ほんと!?」 「おう!」 「っバネさん大好き!」
冒頭と同じく、バネさんに抱き着けばカッカッカと豪快に笑いながら私を抱き止めてくれた。 もう、なにこの人。男前過ぎる。 ぎゅうぎゅうと力を込めてバネさん、誕生日おめでとう!と今一度言えばバネさんは太陽みたいな笑顔で私の頭を撫でた。
Happy Birth Day
(ダビデ!バネさんにプレゼント渡してきたよ!) (?…バネさんの誕生日、昨日だぞ) (えっ!!!?)
------------------ 一日遅れで申し訳ないバネさんごめんほんまごめん 言い訳をするなら昨日は睡魔が半端なくて10時に寝たから… バネさん誕生日おめでとう!豪快であったかくて気前よくて太陽みたいなバネさんが好きだよ! 六角のお日様だよバネさん! でもバネさんが分からないです似非バネさんですみません… ハッピーバースデイトゥーくろばね!
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