!ヒロイン性格悪いです。ジロちゃんがヤンデレ。
「っジロちゃ、」
「うるさい」
ゼェハァと肩で息をしている私には目もくれず一心不乱に耳を塞ぐジロちゃんの肩に手を置けばパシンと渇いた音と共に振り払われた。 目に涙を溜めて好きなのに、と小さな声で呟いたジロちゃんに謝罪の言葉を述べようと口を開いた瞬間ジロちゃんの紅くて形の良い柔らかなソレに、私の口は塞がれた。 探るように動き回り、私の舌を追いかけては厭らしく絡めとるジロちゃんの舌に驚きを隠せない。 だけどそんな事を考えているあいだにも着実に酸素が奪われて上手く呼吸が出来ない。 息が苦しくなって、それを伝えるためにジロちゃんの厚い胸板を軽く叩けば名残惜しそうにゆっくりと唇が離れた。
「はっ、ジロちゃ…なに、」
「なまえがいけないんでしょ?俺が彼氏なのに丸井くんと一緒にいたり跡部と話してたり宍戸とご飯食べたりさぁ。ね、なまえの彼氏は誰?俺でしょ?なのになんで?俺はこんなになまえが好きなのに不公平だし。ねぇ、聞いてる?」
「っ、ぁ…じ、ろ」
「なまえ、なまえなまえなまえ。好き、大好き、愛してるC。だから、俺以外の人と一緒にいちゃダメ。ねぇ、わかってる?俺今すごい怒ってるの」
「ごめ、ジロちゃ…っ」
ぎゅうぎゅうと痛いくらいに抱きしめられて体が痛い、なんてああまの片隅で考えながら策略通りにことが進んだことに、内心歓喜している。 そう、私はわざとジロちゃんに嫉妬をさせていたのである。 何故か、だなんて聞くのは愚問だろう。 答えは至極単純明快でわかりやすい。愛されているか確かめたいのである。 そんなことをしなくてもジロちゃんは愛してくれる。 私を、醜く汚い私を、こんな私を是も非もなく、ただひたすら盲目的に愛してくれるのだ。 私は意地悪だ。 私は、自分の欲求を果たすために我侭を言ってジロちゃんを困らせ、怒らせる。 全て私の思った通りに動いてくれるジロちゃんに優越感を覚えつつも犇々と感じる愛に思わず笑みが漏れる。
「ジロちゃん、ごめんね」
「…もう、しない?」
「うん、しないよ」
「なら、もういい。俺も、ごめんなさい…」
しょんぼりと頭を垂らして項垂れているジロちゃんのやわらかい髪をそっと撫でればびくりと肩を揺らして恐る恐る顔を上げた。 目が合って、にこりと微笑めばたちまち笑顔になって私に抱きついてくる。
そう、これも計画通りの行動であったりするのだ。
忘れちゃうあたし
ごめん、本当は覚えてるよ。
---------------- 初のジロちゃん夢です。 友人に笹号と書いたつもりがいつの間にか性格の悪い女の子になっていたので却下。 でもこれはこれで…私的には…ゴクリ… すみませんごめんなさい後悔も反省もしてません。 使うところ間違えましたかね、まぁいいか。 タイトルは舌様より
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