花京院の口は他の人に比べて少し大きい。彼はそれを気にして居るようで、この前花京院の口は大きいねと言うと苦笑していた。

かく言う私の口は他の人と比べて少し小さい。と言っても見た目は殆ど変わらない。小さいのは口内である。
そんな私が最近ずっと考えていることと言えば冒頭に紹介した人と比べて少し大きな口を持つ花京院のことな訳だけれど。
彼とお昼ご飯を一緒に食べるとき、ついつい彼の口を見てしまって中々ご飯に手が付けられないのだ。
器用にお箸を使ってパクパクと食べ進める花京院を見ていると彼は顔を上げてそんなに見られちゃあ食べにくいよ、とまた苦笑するのだ。
それから私がごめんねと謝ってご飯に手を付けるのだ。
そう言えばここ最近彼の口にばかり意識が持っていかれていることに気が付いた。花京院の、口。
花京院、の、唇。

「…あ、」
「どうしたんだい、名前?」
「ねぇ、花京院ってさ、口大きいよね」
「…それ、前にも言ってたよね」
「うん、私小さいから」
「小さい?そうかな」
「中がね、小さいの。あんまり入んないんだ」
「へぇ、そうなんだ」
「うん。だからね、」

花京院の唇に指先を当てて、這わす。
つ、となぞればビクリと肩を跳ねさせて、目を大きく開いて私を凝視している。
く、と笑って花京院の唇から指を離して唇が触れそうな程顔を近付ければ途端に真っ赤になって狼狽えた。
彼の首に腕を回して強請る様に言ってやる。

「典明の大きな口に食べられたいな」

勢いよく覆い被さって来た彼を受け入れてキスをすれば大きな口に食べれた。

ぜんぶきみいろにする

予鈴は聞こえないフリ。


花京院の口が大きくてキュート
130602
 

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