ガラリと教室の扉を開く
いつもの様におはよう、と挨拶をすれば皆返してくれる
そんな何気無い朝の風景に幸せを感じながら席につき、教材を机のなかに仕舞っていると真横に安田
あまりに驚き過ぎて椅子から転げ落ちた

「っ、ギャァアッ!」
「ちょっ、そこまで吃驚しなくてもいいだろ!ってパンツ見えてるラッキー!」
「ひっ、な、何してんのよ安田ァ!」
「え?だってシャンプーのいい匂いしたからな!」

悪びれる素振りも見せず、さも当たり前と言わんばかりの態度で私に歩み寄る安田
携帯片手にひょい、とスカートの端を持ち上げた安田はこれはいい、とかなんとか言いながらパシャリと一枚写真を撮った

その時間僅か5秒

「なっ、何してんのよ!」
「うはっ、縞パンとかマニアック…」
「消しなさいよ!」
「断る!これは今晩のおかずにする」
「いやぁああ!やめて!肖像権の侵害!」
「別にパンツくらいいいじゃん!減るもんじゃないし」
「減るわ!私の精神がガリガリと削られていくの!」

ぴょんぴょんと携帯を奪おうとジャンプしても届かないそれ
段々とイライラしてきた

「安田っ、お願いだから…消してぇっ!」

半泣きになりながらも必死に携帯を奪おうと跳ねる
どうして毎日毎日私ばかり、と涙を浮かべながら飛んでいるとピタリ、と安田の動きが止まった
今がその時と言わんばかりの好機到来、私はすかさず携帯を奪い取り写真を消す
よかった、と安堵していたら背中に柔らかな感触

「なっ、安田?何して」
「…お前、」
「何…」
「今の泣き顔、超エロかっ「イヤァアアアッ!美作くん助けてぇえ!」行かせるかぁあ!」

脱兎のごとし速さで美作くんのもとへと行こうとした私は般若の様な形相で追いかけてきた安田に簡単に捕まった

「ヒィ!お命だけはっ」
「明日は紐パンでお願いします!」
「穿くわけないじゃない安田の馬鹿ァア!!!」

彼はまさにエロテロリスト!

(変態な彼に虚しくも恋している私は、)
(きっと、誰よりも馬鹿なんだろう)

 

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