「ニノさぁー…背ぇ伸びた?」
「おん。ってか伸びんとおかしいやろ」
「いやぁ…別におかしくはなくない?」
「なくないって!」
「せやろか」

軽口を交えて談笑しつつニノの頭を触れればニノは擽ったそうに笑ってなんや、と言ってきた。
ピアスも増えたなぁ、と何気なし二呟けばキョトンとした顔をした。
そんなニノの髪の毛をわしゃわしゃと撫でてバカ野郎!と言えばなんでやねん!とツッコミをいれられた。
まぁ意味分からんわな、と心の中で呟いて目に留まったニノの赤いピアスをそっと触ればビクリと肩がはねた。
その姿が可愛くて小さく笑みを漏らせば少し照れたような顔をしてなん、と聞くニノに赤いピアス綺麗やな、と返せば今日一番の笑みを浮かべてちょっと待ってな、と言われた。
なんやろ、と首を傾げてニノを見つめればニノは困ったような表情をしてそない見られると恥ずかしいといって俯いた。

「はい、」
「え、何これ」
「ピアス。さっき綺麗って言うてたやろ?」
「せやけど…なんで私?」
「え、だからさっき綺麗って言うたやん」
「言うたけど…」
「ええから貰ってや!」
「え、ちょっ」
「右耳、一個開いてるやろ?」
「なんで知ってんの?」
「内緒ー」

そういって悪戯っ子のような笑みを浮かべるニノに不満そうな表情を向けて渋々右耳にピアスをつければニノは満足そうに「なまえは守られる人、な」といった。
え、何?どういうこと?

「なんのこと?」
「片耳ピアスの意味、知っとる?」
「片耳ピアス?」
「そ。右は守られる人、左は守る人やねんて」
「じゃあアタシは守られる人?」
「おん」
「ニノは私も守るん?」
「おん!」
「ふぅん…」
「反応薄くない?」
「え、だって前から守ってくれとったやん」

平然と言えばニノは俯いてそれは反則やん、と顔を真っ赤にしていたからこれからもよろしく頼むわ、と肩を叩けば嬉しそうに笑っておん!と元気よく返事をした。

片耳ピアスの秘密

 

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