今日は久々に部活が休みで、寮に居るのも退屈だから鷹山に一言言って大好きななまえの家にやってきた。 いきなりの訪問にも関わらず、なまえは笑っていらっしゃいと言ってくれた。 久しぶりにあったことも相まって、嬉しくて抱きつけば支えられなかったみたいで二人して玄関に倒れた。 痛いよ、と言いながらも笑うなまえに俺も笑みを返し、扉を閉めてお姫様抱っこをすれば恥ずかしいから降ろしてと暴れるなまえ。 そんなに暴れたら落ちるべ、と言えばピタリと止まった。 ははっと笑えば豹のあほ、と言って首に腕を回して引っ付いてきた。 素直に可愛いべや、と言えば更に強く引っ付いてきて、笑った。
「豹、今日は練習ないの?」 「あぁ、今日は休みだべ。つーか、そうじゃなかったら来てないダニ!」 「それもそうだね。今日は泊まる?」 「泊まってもいいのか?」 「いいべー。」
俺の口調を真似ていたずらっ子の様な笑みを浮かべていいべーと言ったなまえが愛しくて、抱きしめたらわぁあっ!と声を上げて驚いていた。 スン、と髪の匂いを嗅げば、仄かに香るシャンプーの匂い。だけど。
「あれ、なまえシャンプー変えた?」 「えぇっ、なんで分かるの?」 「間違いナッスィン!俺、天才だからね!」 「ふふっ、答えになってませんよーだ」
きゃいきゃいとじゃれ合って、またなまえを抱きしめれば目を丸くして、その後笑って抱きしめ返してくれた。 二人でぎゅうぎゅうと抱きしめていたら、またシャンプーの匂いが香る。
「なぁ、このシャンプーいい匂いだべ」 「そう?…豹の好きな匂い?」 「んー…前の方がすき」 「そうなの?」 「おう、前のほうが愛着ってゆーか…何つーんだべ?なまえの匂いっぽくて、好き」 「そっかぁ…じゃあ、これ使い終わったら前のに変える。」 「ん…なまえ、好き」 「ふふふっ、私も好きだよ」
柔らかい笑みを浮かべて好きだよ、と言ってくれたなまえが愛しくて、さっきより強く抱きしめれば何も言わずに肩に顎を乗っけて、そのまま囁いた。
「…―ありがとう」
嗚呼、愛しの××よ
(何に対してのありがとうか、分かってるからこそ涙した。)
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