卒業の歌、友達の歌 | ナノ
ショウコさんとタクトくん


【1.あなたには逆らえません】

「おはよータクトくん、何寝てんのよーもう2時ですよー?」
「・・・お前うるさい」
「ほほおうるさい?誰がうるさいの?」
「・・・しょ、ショウコさん腹が・・・」
「うっすい腹が悪いんじゃない?」
「くっ苦しいわお前!」
「じゃあ起きて?そして海にでも行きましょう!」
「なんで俺が・・・ぐえ!」
「いやだ幻聴が聞こえてきたみたい!」
「腹の上で跳ねるなっあだだだ行きます行きます!」
「わかればよろしい。さあ早く自転車出しなさい!」
「・・・やっぱり足扱いかい」


【2.べつにパシリとかじゃない】

「あ・・・やっば・・・」
「ショウコ、はやく行こ」
「ごめん、弁当忘れたみたい」
「えー!」
「分けてあげるよ!」
「ううん、大丈夫どうせダイエットしてたし痛っ」
「・・・ん、おばさんから」
「ああ、ありがと」
「どーいたしまして」
「・・・ねえ、なんであいつが?」
「幼馴染だから、家も隣」
「えー!聞いてないよ!?」
「そうだっけ?」
「ていうかメガネくんオタクとか何やらと呼ばれて引かれてますから」
「ま、あの見た目じゃね」
「・・・そ」


【3.不敬罪は打ち首】

「タークト」
「・・・なぜに待ち伏せ」
「後ろに乗せて」
「歩けよ、ダイエットしてんだろ」
「余計なこと言わなくていいのよ根暗メガネ」
「そーですか」
「・・・怒りなさいよ普通に」
「・・・まあ否定はしきれないし」
「根暗じゃないでしょうがアンタは冷めてるだけだろ!」
「メガネだから全否定は出来ないっつってんだよあと口調はどうした超優秀クラス委員長!」
「うっさい黙れ逆らうな!」
「首絞めるなアホっくっ・・・るしいわ!」
「ああもうあんたの身長無駄にデカイせいで上手く絞まらないし!」
「ていうか何でお前がキレるんだよ!」
「・・・黙って歩かんかドアホ!」


【4.使用人以上従者以下】

「アンタってなんであんなに足遅いの?」
「何でお前ってそんなに数学苦手なの?」
「数字が嫌いだから・・・ここは?」
「俺は運動が嫌いだから、ここはこの数式を当てはめてXに置き換える」
「ああうん、そう・・・なんで前髪伸ばしてるの」
「・・・目つきが悪いから・・・ってなんでさっきから課題と関係ない質問してんだお前。集中しろよ」
「うるさい、集中できない」
「・・・ええー・・・じゃあなんでお前メガネかてんの、視力良いよな?」
「・・・ノーコメ、そしてうるさいから黙って」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・あー疲れた、アイス買ってきて」
「はやっ、しかも早速パシリかよ」
「何イヤなの?じゃあ良いわよぉ自分で買うし」
「あーはいはい、いってらー」
「何言ってんの、あんたはチャリ漕ぐの」
「・・・俺、足?また?」


【5.こういう役回りなんだよね】

「ショウコ起きろ学校だ」
「・・・」
「ショウコ起きろ学校だ馬鹿」
「っぅんー・・・うん・・・」
「ショウコ起きろ学校だ馬鹿二度寝するな・・・ダメだこりゃ・・・」
「・・・」
「ショウコ、朝なんだけど」
「・・・タクト?」
「うっす」
「・・・なんで顔近いのよメガネ」
「デカイ声では言いたくない起こし方をしようとブゲッ!」
「どんな起こし方が言ってみ?」
「耳元でひたすら名前呼んで起こすっていう懐かしい起こし方です・・・」
「今すぐおばさんに通報してやろうか?」
「通報する前に俺出て行くからとりあえず学校に行く準備をしてくれ」
「わかった、でも先に行ったらおじさんにも言うから」
「・・・はいはい」


【6.ご褒美をあげましょう】

「タクト、いつもいつも私のためにありがとう」
「は?」
「自転車に乗せてくれたり、おやつ買ってきてくれたり、勉強教えてくれたり・・・一言じゃ言い切れないくらい感謝してるわ」
「へー・・・」
「だからこれ、お礼」
「いらね」
「いいから食えや」
「・・・お前なにたくらんで・・・」
「はいあーん」
「うわやめむが!」
「美味しい?」
「辛ぇ!!??うっごほむほっうえ・・・」
「ちょっと何吐き出そうとしてんのよしっかり飲み込みなさい!」
「無理無理無理!ぺっぺっ!!」
「ちっ・・・まあいっか、面白かったし」
「・・・いつか殺す」



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