短編 | ナノ
立ち止まったら最後
「宿屋に泊まりましょう」
「お前1人で泊まれ」
「そうしたらあなたは先に進んでしまうでしょう?2人で宿屋に泊まりましょう」
「人の話を聞け」
「私だって木の建物に泊まるなんてちょっとどうなるかドキドキしますけど、まあ2人なら相乗効果で互いに無効されます、なので暖かい布団に包まれて朝までリラックスしましょう」
「断る」
「大丈夫です!たとえあなたの力で床の木がボロボロになって崩れても私の力で植物は元気一杯、つまり落ちてもすでに下には新たな植物が出来ているという算段!」
「断るっつってんだろ」
「えーもう何でですかぁ?つれなさ過ぎですよ!」
「あーそうか、そりゃあオレのことがよくわかったみたいで良い経験になったな」
「むむむ、最近中々能弁になられてきたようですね…これは手ごわい」
「泊まるんなら勝手に泊まれオレは行く」
「えー!それはダメです、そこまで言うなら私も行くしかないじゃないですか!」
「何でそうなる!?」
「同じ宿屋の部屋がイヤなのはわかりますが置いていかれるのは私がイヤです」
「…同じ部屋に泊まるつもりだったのかお前」
「じゃないと相乗効果の相殺効果がないじゃないですか」
「…もうイヤだコイツ」
「私はブレイクさん大好きでーす」
「…あ、そ」
title 追憶の苑
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