短編 | ナノ
何処まで行けば


「木の建物がボロボロになっちゃいましたね」

「そういう力なんだよ」

「歩くたびに地面も乾燥しちゃうんですね」

「だからそういう力なんだよ」

「パンをどうぞ」

「いらねぇ」

「思っていたのですがあなたはものを食べないのですか?あなたを出会ってからあなたがものを食べる姿を見たことがありません」

「オレは食わなくても生きていけるんだ」

「そうなんですか、それは便利ですね、食欲がないという事はつまり尿意などの生理的な不快感がないということなのですから」

「黙っとけ」

「はい、黙って食べます、あ、ゴミがついてますよ」

「っ触るな!」

「大丈夫ですよ別にテリトリーを荒らす獣じゃないんですから、何もありませんって」

「…干からびねぇな、お前」

「ふふふ、面白いでしょう?私、死ねないんですよ?」

「そりゃ奇遇だ、オレも死なない」

「似たもの同士ですね私たち、あ!」

「似たもの同士ならメシなんざ食うな」

「なんて屁理屈を…しかも勝手行かないでください!」
「つうか付いて来るなマジで」


(言葉の意味の違い気づいたかな?)

(言葉の意味の違い知ってんのか?)


(ていうかコイツほんとどこまでついて来るんだよ)


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