.VIVID WORLD




あの後なんか沢山あったのだ。金メッシュトサカの勝呂くんがリーパーに近づいたり、目標を馬鹿にされて半泣きになったり、リーパーに襲われたり、リーパーを奥村くんが退けたり………奥村くん何者………。てか、二人ともサタン倒すとかどんだけ………それ、祓魔師の永久の目標じゃん。最終目的とかいうやつだよ。ちなみに私はサタンと会ったら悪魔について聞いてみたい。魔神って書いてサタンって読むぐらいだから何でも知ってるよね?

「………どうしたの兄さん………」
「ベンキョーだよベンキョー!」
「え!?」
「な………なにかの……前触れ………?」

突如として教科書を山積みにした奥村くんに奥村先生が失礼な発言をした。ちなみに今奥村くんが読んでいるのは悪魔図鑑。私はその内容を全て貰った日に暗記した。これはけして自慢じゃない。ただたんに嬉しくて、ぐへぐへ言いながら読んでただけなのだ。好きなことはすぐに覚える質の私は涎たらしながら見たかいあって全て覚えられたのだ。悪魔ってほんと、素敵………。

「………なんだよ。お前もバカにしにきたのか?」
「………昨日言いそびれたけど、ありがとぉな」

おぉ、ついに金メッシュトサカの勝呂くんと不良な(というかただの居眠り魔)奥村くんが和解した!まぁ、似たもの同士すぐに今以上の絆になるさ。手始めにヘアピンを貸す勝呂くんが照れていた。その横で目を丸くする奥村先生はなんだか年相応で安心した。ほら、奥村先生とか私達よりも早く祓魔師になってるし、教師やってるしでなんとなく近寄り難かったんだもの………。やったね、これで『ドキドキ☆学園で語り合う会』が出来るじゃないか!ちなみに参加者は、私とねむくんと奥村先生で………。他のメンバーはどっちでもいいかな。少しずつ仲良くなれば良くね?

「ねむくん、ねむくん」
『あ?』
「ひぃっ!?なんでそんなご機嫌斜めなのさぁ」

拗ねたねむくんに無言で叩かれた。普段会話を通す人形でだ。ボタンとか中に入ってるねむくんの手(布越し)が当たっていたい。そういう地味な攻撃やめて!地味にいたいから!!

『てめぇ、少し黙ってろ!』

ねむくんは相変わらず理不尽だ。