面倒事が、6つ
月に一度の全校集会。
山から降り、本校舎で行われるソレに参加しなければならない。
ウチらは一番遠いが、一番初めにならんでいる必要がある。
それがエンドのE組の役目の1つ。
少しでも、本校舎の、生徒達の恥さらしになれ、という役目のだ。
昨日、ボスに会うために並盛に行った帰りに正一から貰った飴を口の中でカラコロと転がす。
あぁ、めんどくさい。
「おい、アレってメカだよな?」
「何でアイツ、エンドのE組にいんだ?」
「何でも、協調性が全くないとかで落とされたらしいぞ」
ウチのことか。
コソコソとコチラを伺いながら話す彼等の方へチラリと目線をやる。
すると、一斉にそらされた。
別に、XANXUSサンじゃないんだから、その程度で何もしないが。
何だか騒がしくなり、そちらに目線をやるとイリーナサンが登場。
ありゃ、確かに人目をひく。
「油断してるとどう仕様もない誰かさんたちみたいになってしまいますよ」
「アホくさ」
「「「「「「「「アハハハハ」」」」」」」」
校長の言葉に沸いたように笑うA〜D組の人達。
あー、了平サンあたりがいたらきっと怒るだろうな。
あの人、熱いから。
色々な意味で。
「いつもこんなもんよ」
隣りで中村サンが苦笑いをする。
なるほど、E組はコレに何時も耐えているのか。
今までまともに聞いていなかったから、知らなかった。
壇上に生徒会長がのぼり、話を始めるものの、
3-Eの分だけない。
コレも何時ものことらしい。
「記憶して帰ってくださぁーい」
また、沸いたように生徒が笑う。
あぁ、きっとボスだったらこんな状況を作らないのだろう。
ボスは、そういう人だから。
「陰湿ね」
イリーナサンが我慢ならないとでも言うように吐き捨てる。
流石にウチも、これはいただけない。
マッハ20を活かして殺せんせーがプリントをくれた。
しかも、手書き。
あれ、殺せんせーは本校舎へ来ることは禁止されていたはずだが。
側にやって来た殺せんせーを刺そうと、あの緑のナイフを振り回すイリーナサン。
それを見かねた烏間サンが連行していってしまった。
「アハハハハハッ、しょうがねぇなぁビッチ先生は」
「フフッ」
このクラスは、少し、否、だいぶお気楽だ。
アレを見て、笑えるなんて。
もう、まともな神経をしていない。
遅かれ、早かれ、彼等は裏社会に生きることになりそうだ。
もし、いつか、このクラスの人が裏社会に足を踏み入れた時。
もし、いつか、彼等が敵になった時。
ウチは、戸惑いなく倒すことが出来るのだろうか。
【裏社会に生きることになりそうだ】
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