面倒事が、4つ




翌日
丘を登り、教室に入ると教卓の上にはナイフが刺さったタコが目に入る。

「……………アホくさ」

誰がやったのかはもう想像がつく。
どうせ赤羽サンだ。
多方、殺せんせーを挑発する為だろう。

「あ、おはよー、蒼井さん」
「…………おはようす、赤羽サン」
「殺せんせーなんていうんだろうね?」

別に聞いても居ないことを話し出す赤羽サン。
正直、鬱陶しい。
少し楽しげな表情。
この状況を楽しんでいるのだろう。
その度胸、ボンゴレなら存分に発揮出来るだろうな。
まぁ、第二の恭弥サンは要らないけど。





その日1日、赤羽サンの様子は…………………まぁ、アレだ、変だった。
殺せんせーを暗殺しようとして、躍起になっていたが、空振りばかり。
赤羽サンが失敗しようがどうしようが勝手だが、ウチを巻き込まないで欲しい。
迷惑だ。
殺す、殺す、言っているけれども結局、構って欲しい子供のゴネでしかない。
馬鹿らしくて仕方が無い。





放課後

ついこの前、完成した 瞬時武装換装システム「 SISTEMA C.A.I. 」の試運転をする為に、校舎の裏に回る。
すると、上から粘液が滴り落ちてきた。
…………………キモい。
何だアレは。
ネバネバした、薄く色づいた粘液。
もう一度言おう。

「キモい」
「にゅや!?キモいとは何ですか、蒼井さん!」
「事実すよ」
「んな!?」
「あれー?蒼井さん、こんなところで何してんの?」
「少しはその減らず口を閉じたらどうですか。負け犬」

ウチの言葉に少し傷ついたように赤羽サンが俯く。
所詮、ウチらのクラスはエンドのE組。
負け犬しか、集まっていない。
成績は勿論、人間関係から素行まで、それぞれが何かしらで負け犬というレッテルを貼られている。

「ヌルフフフ、蒼井さん、それは少し違いますよ」
「幾らこの教室は、殺せんせーの言うことが正しくても、所詮、ウチらは負け犬だ」

殺せんせーの説教何て受けたくないので踵を返す。
「 SISTEMA C.A.I. 」の試運転は、直接隼人サンに頼もう。

【所詮、ウチらは負け犬だ】


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