面倒事が、10





今回のテストは2日前に出題範囲が全教科変更になった。
そして、本校舎では浅野理事長が自ら教え上げたらしい。
結果、殺せんせーの分身強化勉強の頑張りは水泡にきした。
良くてテストが8割程度。
5教科とも出題範囲じゃないと烏間サンが本校舎に抗議の電話をかけているが、まぁ、予想通りの反応である。

「…………先生の責任です、この学校の制度を甘く見てました。キミ達に顔向けできません」

殺せんせーといへば、先程からコチラに背中を向けている。
そんな中、ウチの解答用紙を奪い前に歩んでいく者が1人。
言わずもがなの赤羽サンだ。

「にゅやッ!?」

赤羽サンが背を向け感傷に浸ってた殺せんせーにナイフを投げる。
が、やはりマッハ20。
寸前で避けられ黒板に当たって跳ね返った。

「いいの〜?顔向けできなかった俺や蒼井さんたちが殺しに来んの見えないよ」
「カルマくん!!今、先生は落ち込んで………」
「だから、面倒な事に巻き込まないで欲しいす」

ウチと赤羽サンの解答用紙を先生に向かって投げる。え、人の物投げないで欲しいす。
殺せんせーは触手を使い器用に全て拾い上げて解答用紙を見た。

「俺ら問題変わっても関係ないし」
「だから、巻き込まないでって言ってるす」

赤羽サンは合計点数494で学年4位。
ウチは合計点数499点で学年2位。
ちなみに、学年1位は五教科満点で理事長Jr.ならぬ浅野サン。
あぁ、学年トップじゃないから後でリボーンサンにどやされる。

「俺は成績に合わせて余計な範囲までやったからね」
「ウチは家庭教師(カテキョー)にどやされるす」
「前のクラスより暗殺の方が全然楽しいし、で?そっちは?50位以内が2人ってだけでシッポ巻いて逃げる?」
「あぁ、ネッチョリお説教、ヤダ」
「ちょっと蒼井さん、空気読もうか」

赤羽サンの言葉に口を噤む。
もう、いいす。
どうとにでもなればいいす。
ボスと炎真サンと一緒にネッチョリお説教、受けるす。

「なんだ殺せんせー怖かったのかぁ」
「ねー!!怖いから逃げたいって正直に言ってくれたら良かったのに!!」

赤羽サンに便乗して、殺せんせーを挑発する皆さん。
殺せんせーは意外と単純なのですぐに挑発に乗る。
真っ赤になって、にゅやー!!、叫び怒り出す。

「このままで逃げるわけありません!期末テストではあいつらに倍返しでリベンジしますよ!!」

その宣言を聞いた皆さんが笑いだした。
それが癪に障ったらしく、殺せんせーは更に怒る。

「アホらし」

ソレを見てウチは小さく呟いた。

【やはりマッハ20】





prev next