マウストゥーマウス
「なし子、」
「せ、赤山…」
真っ赤な顔で震えながら屈み近づいてくる彼に対しあたしは真っ赤な顔で表情は引きつっている
いや、正確にはニヤけるのを抑えてるからこそ変な顔になっているのだが、どんな顔して今からする行為を待ち受ければいいのか分からないのである。

「キスを、してみたい」
「はぃ?え?はい!?」
赤山のそんな言葉から始まった。
空耳かと思い一回聞き流したがとんでもない単語だでたと気づき飛び上がる。
「すごく、身構えるな」
「違う違う違う!いや、その、びっくりして」
シュンとする赤山に全力で嫌でないことを伝える
「じゃ、じゃあ、…いいか?」
「あの、おて柔らかに…」

と、言ったのがかれこれ10分ほど前。
肩をそっと掴んだあたりから微動だにせずただじっと赤い顔でギュッと眉を寄せ困ったような顔をする赤山。余計なこととかを考えているのか「いや、でも」とかブツブツ何か言っている。
「赤山」
「なん、だ」
「目つぶって」
「…は?いや、待て!俺から行く!」
「んじゃあ待つ」
そっと目を閉じて待てばやっと決心がついたのかさっきより肩を掴む手に力が入り
気配が近づき

「んっ、」
ふにりと優しく触れくっいたり離れたり
それだけなのに体全体が脈打つかのように耳までバクバクとしてくる。
赤山の柔らかくて熱い唇が段々と心地よくなってきて離れるのが惜しく感じ自分からも押し付けるようにする。
「っ!…なし子」
「んんっ!?、ぷぁ、んむっはぁ、ん」
食べられちゃうんじゃないかと思うくらい激しくなって息ができなくて頭がボーッとしてくる。
にゅるりと彼の舌が入ってきて口内をなぞららて絡め取られる
どこで覚えたこんな事!?とか言っていられない程にあたしは自分のことでいっぱいいっぱいでこれ以上してたら死ぬと思い赤山の肩をグイグイ押すが逆に手を取られ引き寄せられた
「ん"ん"?!」

もうどうにでもなれと赤山に体重を預けた。
その後満足した赤山が離れ我に戻った彼が謝り倒して来たのには笑った。


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bkm
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