お触りは程々に
「赤山にセクハラしたい」
「なに言ってるの?」
委員会で遅れてきた幼馴染八王子に唐突に話しかければ呆れたような視線が返ってくる。
「いや、考えても見てよハチくん。あの完璧なプロモーション。筋肉。引き締まったお尻。何より厚めの唇。ヤバイでしょ」
「ヤバいのはお前の頭、変なこと言ってないで仕事して」
「ちぇー」
さて、洗濯もの取り込みついでにボトル洗ってこようと部室のドアを開けるのまさに今話の中心だった赤山が立っていた。
その顔は何処となく赤くそれを見てしまったあたしは逆に青ざめて行く。

「せ、赤山?」
「…」
「い、今の聞いて…た?」
「あぁ、」
「死にたい!!!」
八王子はそんなやりとりを見て爆笑しじゃあ俺先行ってるね〜と言い行ってしまった。
取り残された2人はお互い俯いたままである。

「さ、触ってみるか?」
「はぁっ!?」
余りにも衝撃的な言葉に手に持ってたカゴからボトルが落ちてしまった。
せっせと拾っていると赤山も手伝ってくれてすぐそれは終わったがスッと手を取られた。
「手、小せえな」
「ひっ」
バッと振り払って後ろに下がるがすぐ腕を取られた。
「逃げんな」
「あ、いや、その」
グイッと引き寄せられ簡単に彼の腕の中へご案内された。
「柔いな」
「あの、これ、むしろ、セクハラされてるの」
あたしなのでは…?という疑問は飲み込み今の状況が訳がわからなくパニックになり身動きが取れない。
なんかのスイッチが入ったのだろうか赤山はいつものたどたどしい恥ずかしさはなく黙々と手や腕を触ってくる。
背中越しに彼の引き締まった筋肉がわかりゴツゴツとした指は手を絡めていて
登下校で手を繋ぐぐらいでつい最近ハグができるようになったのである。さっきの話を聞かれた恥ずかしさと意識してしまっているなし子からしたら大層な行為で容量がオーバーした。
「む、無理」
「おい、どうし…なし子?」





「睦!!!なし子が気絶した!!!」
「はあ?!」
状況を正直に話した赤山が八王子に怒られる姿を呆れるように他2年は眺めていた。


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bkm
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