▽ 一年生
授業終了の鐘が鳴ったその直後だった。
スパーーーーーーン!!!
「はーーい!良い子のみんなー運動場に集合だよー!」
勢いよく障子を開けたのは名前。
「苗字、もっと静かに入ってきなさい」
眉間にできたシワを伸ばしながら一年は組教科担任の土井半助は咎めるが、
い組、ろ組の部屋からもぎゃあぁ!と驚く声と共に先輩方の声が同じような要件を伝えているのが耳に入ってきた。
「?これから何かあるのですか?」
「んふふ、行ってからのお楽しみだよ〜」
は組の良い子たちは首を傾げながらも外へと足を進める。
「うわぁ…!!」
運動場には続々と他学年の生徒たちが集まりそして視線は簡易的な机が並べられその上には料理の数々。
そして貼られた幕には
"65巻おめでとう"の文字。
にんまりと笑みを浮かべた名前がマイクを片手に声を上げた。
『あーあー、これより、65巻おめでとう会をはじめまーす!』
みんなに飲み物を手に持てと指示していると三郎がかけてきた。
「ちょっ!?コレなんですか!?」
「今言ったんだけどー?」
「まさか学園長の…」
「あたしが提案して許可もらった」
「ロクでもない!!!」
「さぁさぁ三郎も杯持って〜」
『では学園長ご挨拶を〜!』
『うむ!!これからも日々忍びになる為に励むこと!!では乾杯!!』
訳が分からず戸惑う中ではあるが学園長の号令と共に
乾杯ーー!と声がこだまし宴会が始まる。
そして隅に置いてあった紙吹雪が入った笊を持ち一年生達の群がりに近づく
ん
「みんなおめでとう!!」
笊の中身を振りかぶり全てを一年の塊に投げた。
「わぁ!?」
「紙?」
「すっごいスリルゥ〜!」
「ビックリしてちびっちゃった…」
「あ!名前先輩ぃ〜!」
「これは紙吹雪?」
「庄ちゃん相変わらず冷静ね」
ワラワラと名前の周りに集まる一年生たち。
「みんなお祝いだからいっぱい食べて楽しんでね!」
「はーい!!僕いっぱい食べまぁ〜すっ!」
「しんべヱ食べ過ぎて動けないようにならないようにね」
「タダ飯ぃ〜!!あひゃーー!」
食事が置かれた机にしんべヱが駆け出すとその後をワラワラとついて行く。
「元気だね〜!さてさて、この際紙吹雪全部ドバーッと降らせようか!」
「名前先輩」
「ん?乱太郎どうしたの〜?」
「お祝い、ありがとうございます!」
「へへへ、嬉しいなぁ乱太郎からそう言ってもらえるとむずむずするよ」
「あ!乱太郎だけズルイ!名前先輩!こっちこっち!」
グイグイと虎若と団蔵が両手を掴んでいるが、それを指せるかとばかり
佐吉達が前に立ちはだかる。
「は組ばかり占領はずるいぞ!」
「先輩!お飲み物おつぎしますよ!」
「先輩ぃ〜、日陰に行きましょう〜」
1年生に囲まれて心の底がムズムズしてくる。
「わたしは1人しかいないからな〜みんなで食べよう〜!」
おー!っとがっつく様に食べ始める1年生に手拭いで口元を拭いてやったりと世話をしながら自分も食べる。
「あ、あの!せ、先輩!」
「ん?どうしたの?彦四郎」
「これも、美味しいのでどうぞ!」
「ありがとう、ん!美味しい!」
その姿をみた面々がどうぞどうぞと各々が美味しいと思った食べ物を差し出してくる。
「なんだ名前、モテ期か?」
「かもしれないねぇ〜あ、小平太、紙吹雪あとの全部任せたー!」
「わかった!!任せろ!!」
ぎゃぁぁあという叫び声を聞きながら美味しい食事に舌鼓した。
65巻発刊おめでとうございます!!
これからも彼らのストーリーが続いて行くのを楽しみにしています!
こんな形ですが記念小説は以上です!
あと、羽丹羽くんをまだちゃんとわかっていなくてお話に登場できなかったのが悔やまれる…
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