15
「こいつはやっかいだな」

15

「んだよ!?こいつら!!!」

「ザップそれより後ろ下がんな!レオはあと3歩右!!」

「おう!」
「うっす!!」

サイレンが視界と耳を麻痺させる。
スティーブンの携帯に入った緊急の連絡



『血脈門開放、直ちに血の眷属を密封せよ』


各自その足で現場へ向かう。
その場には2体の吸血鬼が待ち構えていた。
2体は先に交戦していた警察部隊を転化させ自分達の手足として
ライブラに襲い掛かっていた。

他のメンバーに気をとられておろそかになっている自分の防御の隙をつき
転化させられた手足達が襲い掛かってくるが近づいたその瞬間から
脳天から血を吹き出し血に伏せる

「K.Kありがとう!」

『どういたしまして、気をつけなさいよ〜?』

遠方より援護射撃をしてくれるK.Kと連携をとり転化した人たちを一掃する。
倒しても倒してもわいてくる敵に嫌気がさしてきた
それになんだかひっきりなしに自分のフラグがポンポンと変化していくのも気になる。

注意深く応戦していると一人の男がスッとなし子の目の前に立った。
その男は美しく微笑みうっすら開く口の端には尖った牙が見えた

危険を察知し距離をとろうとするがグッと力をかけられ身動きが取れなくなる。

「こんにちわお嬢さん、面白いものを持っているね」
「っ!?」

だがおかしい。男は手を出していない、ポケットに突っこんだままだ
この覚えのあるような感覚…
そしてとあることに気が付く

男の背後に半透明な影が見える
それは人型をしておりこちらに手を伸ばしジッと見据えていた。

「おっまえ!スタンド使いか!?」

「正解。うれしいな、この世界ではじめて出会ったよ」

「あんたも連れてこられた人なの…?」

「とある男から逃げてて気づいたらここに居たのさ」

クスリと目を細めポケットから手を出した。

「さて、立ち話もここまでだ」

「クッソ!"6月の花嫁"!!」





「残念だ。実に残念だったね、相性が」




わたしのスタンドが攻撃する前にヤツのスタンドの拳がわき腹を捕らえる。

「うっぐぅっ!!!」

吹っ飛ばされ瓦礫に体を打ち付ける。

「キミのは攻撃に向いてないんだろう?」

口の中に溜まった血を吐き出す

「俺のは攻撃に特化していてね」

視界はぼんやりとし霞がかっている

「あぁ、素敵だなぁ同じモノを持つ者同士で戦えるなんて」

起き上がることもままならず

「でも残念、衝撃の出会いからの別れだ」

遠くの方でレオナルドが叫んでる。
どうした?怪我でもした?フラグ大丈夫?

「でも安心してくれ痛いのは一瞬さ」

這いずってでも向かおうとする
だがひとたび相手が踵をこちらに返せば
恐怖にたじろぐ
立て、立つんだよ、力を振りしぼれ

「さようなら、俺が殺してあげるから」




あぁ、死ぬのか








              「やれやれだぜ」











一瞬、それは本当に一瞬だった

瞬間相手は吹き飛ばされ壁へと打ち付けられていた
煙が立ち上がり壁はパラパラと崩壊する。

すると背後からコツコツと革靴が地面を叩く音が響いた
それは段々と近づき横で止まった。
見上げれば白のコートに白の帽子をまとう男
その男は「やれやれ」と小さな声で呟き


「こんな所でくたばるように育てた覚えはないぞ」


背後からは懐かしい声と共にぬくもりに包まれ




やっと息をつけた。




prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -