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「さあ、寝坊助早く起きろ」

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そんな声と共に朝日が差し込み
安眠を妨害される

「んん〜〜〜、あと5分…」
「なんてテンプレートな台詞言ってるんだい君は」

自分の声とはまた違う声にバッと体を起こす。

「痛っ!!あれ!?スティーッあぁ...そうでした」

昨日のことを思い出しスティーブンの家に泊めてもらったのを思い出す。

「おはようなし子、」
「ん、おはよう...」

軽く挨拶を済ませるとリビングに来るようにと言われる。

「うぉぉぉっ」
「・・・なんだいそのあからさまに失礼な反応は」

テーブルに並んでいる食事にびっくりした。

「いや、料理しなさそうな感じだから…」
「この歳で独身なんだ、家政婦を雇ってはいるがほぼ何でもできるさ」
さ、食べようと促され大人しく椅子にすわり食事を始める。
とてもおいしゅうございました。はい。

「ごちそうさまでした…」
「どういたしまして」
彼が立ち上がりなし子の目の前の更に手をかけようとしたところ
「さ、皿洗いぐらいする」
「そうかい?じゃあ頼むよ、あと30分で事務所に向かうからそれまでに準備も済ませてくれ」
「はーい」

手際よく皿洗いを済ませ上着をとりスティーブンの準備を待つ

「さ、行くか」
「おねがいしまーす」


事務所前の扉に立つといつもは迎える側だが今日は外から入るというのが初めてで新鮮に感じる。

「あーなんか新鮮だなー」
「あぁ、君はいつも中で朝を迎えるからな」

扉に入り3つのドアに囲まれる。

「今日はこっちだな」

ガチャリとドアを開けると既にザップやレオもいた。

「おはよーござ…あり?ザップにレオ珍しい」
「?どーしたお前たち?」

入ってきたスティーブン達をこれでもかと目を見開きじっと見つめる2人。
その後ろにいるクラウスは少し焦っているようにも見える。

「あ、あのーおふたりで出社なんす・・・ね」

レオが恐る恐ると話をかけてきた。

「ヤったんすか?」

いきなりのザップの爆弾発言に一気に自体を理解する。

「おぃいいい!あんたなぁああ!!」

「はあ!?んなわけあるかい!!」

「ザァーーップ?」

今にも蹴りかかりそうなスティーブンにレオがつかさずフォローを入れる

「いや!あの!今日俺スティーブンさんちの前通ったら二人が出てくるの見ちゃって!あの!!」

「そうだったのか、」

「まあ2人が想像するようなことにはなってないよ、」

なんだーと心底つまんなそうにザップは撤退する。

「す、すまない私から説明したのだか…」

昨日スティーブンから連絡をもらっていたのであろうクラウスが申し訳なさそうに大きな体を縮めてしょんぼりしている。

「いえいえ、大丈夫ですよクラウスさん」

「それにしても、なし子、大丈夫かね?」

昨日のことを報告を受けているクラウスはなし子の怪我を心配するが、

「はい!ピンピンしてますよ!」

「ならばよかった…」

笑顔で応答するなし子を見て
目元を緩め安堵の顔をするクラウス。

「ケッつまんねー…」

「なし子はあんたとは違うんだから、穢さないで」

「いだだだだだ!!!」

いきなりザップの頭上に現れたチェイン。
そしてそのままへし折る勢いでグリグリと頭を踏む。

「あ、チェインおはよ〜!」

「うん、おはよう、銀猿に変なことされてない?」

「大丈夫だよ〜あ、ケーキあるんだー食べる〜?」

「うん」

「ギルベルトさーん」

「俺は無視か!?」


そこに無機質な機械の音が響く。

「スティーブン…」

スティーブンはすぐさま自分の携帯を取り出し電話にでる。

瞬間、周りに花が咲き始める、紫の小さな花弁があしらわれたハナズオウ。

「血脈門の開放感知、いくぞ」

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ハナズオウ…裏切りがもたらす死


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