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「行きはよいよい帰りは恐い」

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夜の街中、夜と言ってもこの街はとても賑やかだ
色んなネオンが輝き夜を一層綺麗に彩っている
通り過ぎる人、異界人は酒臭く肩を並べて歩いているものや
楽しく笑いながら歩くものもいる
そんな中一人なし子はジッと人並みを見据えた

「さあてと、悪い子どこだ」

夜、日光が当たらない時間は奴等の時間でもある。
裏路地に入り資料で見せられた現場近くをうろつく

「お嬢ちゃぁあんこんな夜遅くにどうちたのかなぁ〜?」

「ママとはぐれちゃいまちたか〜?てか?ぎゃははは!!!」

不意に異界人の二人組が現れた
若干聞き捨てならない言葉を言われるが
ツンケンドンな態度をとるとめんどくさそうなのでここは下手に出る

「とりあえずおにーさんたち危ないっすよー?」
「なに?おにーさんたちを心配してくれるnぎゃぁああ!!」
「!!!」

真っ二つ

異界人1人は綺麗にも文字通り真っ二つになった

「お、おい!!おい!!」
横にいたもう一人が二つに分かれた友人の肩をゆする
「やべー、これやべーわ、ビョーインつれってってー」
「案外元気だなおにーさん」
「オ、オデ、分裂できっから」
血を吹き出しながらグッと親指を立てる様は何ともグロテスクだ
「おにーさん早くその人連れて逃げて」
「お、おう!大丈夫かー!?まだ分裂時期じゃねーぞ!!」

「分裂に時期なんてあんの・・・?」
脱皮みたいなもん?
と、走り去る二人を見送ったあと
後ろを振り返る

「で?律儀に待ってくれてるけど、アンタが今回の犯人?」

「キシっ!」

不快な笑い声が響くと共に彼岸花が咲き乱れる

「キシキシキシキシキシっ!!!」

「耳障りだなぁ、、、」

「女の子だぁ、こんなところにどおしたのぉ?」

月明かりの元に出てきたのはそれは美しい青年だった
陶器のような白い肌、紅い目、どこか怪しい色気を纏っていた

「あたしが聞いてるの、アンタが犯人?」

「犯人ってぇ?例えば・・・・・こうゆうことかな!!!」

「おっと!いきなりかよ」

一瞬で詰め寄ってきた青年はなし子の首元に爪を伸ばした
が、なし子も反射的に避け距離を取る

一方青年は一撃で仕留めようとしていたのに避けられたことが
意外だったのか、ポカンとした顔をし、そしてニヤリと口を引きつらせ


「我が同胞に向かい入れよう!!」

ウキウキとした声をあげ

「ご遠慮願う!!!」
厄介なこととなったなし子は冷や汗を流す。



戦いの幕が切って落とされた



まず相手との距離を開けスタンドを出現させる

そして体勢を低くとる

「美しくないな」

「っ!」

十分とったはずの距離は一瞬にして縮められる。

咄嗟の反応で避けるがヤツの拳が腹をかすめる
それだけでも威力は十分だ

「ぐぅっ!!」

狭い路地裏、壁に激突し身動きがとれなくなる
吸血鬼の方もこれで仕留められるという確信が持てたのだろうか
ゆっくりと上品に歩み寄る。

「さあ一緒になろう?」

ニヤリと顔を近づけるが

「はっ!んなの断るって言ってるだろ」

「なにっ!!!」

「波紋疾走!!!」

閃光が走り吸血鬼の頬を捕らえた

「ぐぁっ!!!テメェエ!!!!」

「おっと、本性が出てきているよ〜」

「殺す、コロス、殺す殺すコロス!!!」

相手が乱れた隙を狙い懐に入り込む

「あっ!」


「また一巡後にごきげんよう」


波紋を纏わせた拳を突き上げヤツの鳩尾に叩き込む。

「クッソォオオオオ!!」

バチリ

バチリ

バチリ

波紋の影響で砂に変わり果て奴は崩れ落ちた。

「...ふぅ、なんとか大丈夫だったな」

「ところがどっこいそうでもないんだよなあ...」

「!!!」
ふと後ろから声をかけられた。
聞いたことある声だ。
というか小一時間前に聞いた。

ギギギと錆びたロボットの様に首を後ろに向ければ、



「やあ、なし子。こんな路地裏でデートかい?」




「す、スティーブン…」

これはまた厄介なやつが現れた。


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bkm
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