11

「報告は以上、夜は警戒を強めるように」

10

最近夜道を襲われる事件が多発しているらしい
人間、異界人問わず、にだ。
襲われた奴は体中の水分を絞り出されたかのように
干からびた状態で発見されている
何名か行方不明という奴も報告を受けている

「干からびた状態・・・」
「なし子?」
「なにか思い当たる節が?」
何やら考え込むなし子に気づいたレオとクラウスが声をかけたことにより
視線がなし子へと集められる
「あー・・・もしかしたら吸血鬼の仕業の可能性があるかも」
「あの仮面で吸血鬼になった方か?」
「うん、奴等の活動時間って夜だし、それに干からびた状態って
 まさに血を吸われて捨てられた状態なのかもなーって」
「でもあの時倒しただろう?君がこっちに来た時に」
「いや、それがなー、あの時吸血鬼にされたの1人だけじゃなさそーなんだよ」
「と、いうと?」
「この前あいつに会った時にあいつが言ってたんだよ」

『あと言っておこう、彼らは知らず知らずのうちに増えているよ』

あのモールであの地下でなし子に言った言葉の「彼ら」とは
もしかしたら吸血鬼のことかも知れない。
そう考えが頭を過った

「んだよそれ!もっと早めに言っておくとかなかったのかよ」
「ごめん、不確かだったから言うべきじゃないかなーって」
食いつくザップに眉を下げ弁明する
「まぁまぁザップ、なし子なりに考えてるんだ、そう言ってくれるな」
「そーっすけど・・・」
「まあ、報告を怠るアンタには言われたくないでしょーね」
「んだと雌犬!!」



「なし子、くれぐれも夜は外へ出るなよ」

報告会が終わりそれぞれ解散となった
事務所が寝床ななし子はみんなを見送る
その際にスティーブンから釘を刺された

「わかってるてー」
「いや、こいつを襲おうなんて考える奴なんていねーっすよ」
「あんたそろそろ殺されますよ」
嫌味を漏らすザップに悪態をつくレオ
そんな光景を見ながらも二ヘラとした笑顔で見送る
「ザップは明日覚えとけ、レオ気を付けて帰るんだよ」
「なし子もね」
「なし子っち、しっかり暖かくして寝るのよ?」
「うん、ありがとうK.K、息子さんの為に早く帰ってあげてね」

2,3言葉を交わせばパタンと扉は閉じた

クルリと方向転換しなし子はベッドのある仮眠室へと運んだ

もしあのクソ仮面が言っていたことが今回と関係するのであれば…

なし子は仮眠室へと入るとベッドサイドの台に置いてある不気味な仮面を見やる。
一刻も早く元凶を倒さなければ被害がもっと酷くなるであろう

目を閉じて一呼吸置き

「やっぱり、行こう」

踵を返しライブラ事務所を後にした。


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -