*宮地→人間
福井→鬼
*若干の暴力表現有

ある日鬼を拾った。

拾っだそれ゙は薄汚れていて服は布を縫いあわせただけのような簡素な物で、所々破けており例えるならば使い古されたぼろ雑巾のようだった。゙それ゙は森の中で倒れていて最初死体かと思った、が近付いてみるとぴくりと指を動かして小さく呻いた。肌にはところどころに赤や紫の痣があり、切り傷からは血が滲んでいた。葉で傷つけたのかはたまた刃物で傷つけたられたのかはわからないが浅いものから深いものまでみてとれた。゙そいづの頭には白い「角」が生えていた。俺達人間に角なんてないのに、だ。
さすがに見捨てるのは忍ばしく家に連れて帰ることにした。抱き上げると身長からは感じられないほど軽く、中に綿でも詰まってるんじゃないかと思うくらいだった。家に着いて布団に横にならせて全身に付いていた泥や血を濡れ布巾で拭いてやった。ついでに薄汚れた服も脱がせて自分の服を着せてやる。消毒なんかもしてやろうかと思ったが傷に染みて目を覚ますかもしれないのでやめておいた。


「(噂には聞いていたけど…これが鬼、なのか…?随分印象ちげえな…)」


聞いていた噂は人知を超えた身体能力と魔法を駆使して悪魔のような性格で人々から宝物や女を奪っている…といったものだったが目の前にいる"鬼"はむしろ全てを奪われたような、被害者のような姿だった。しばらくして"鬼"が起きたようでもぞりと体を動かし俺と目が合った。猫みたいな目が俺を認知するとがさがさと慌てて俺から距離を取った。よっぽど焦ったのか服に足を引っ掛けて仰向けにずっこけた。それがあまりに滑稽で思わずくすくすと笑ってしまった。

「なっ!!何笑うんだ!!!」

「いや…鬼なのに…ふっ…どんくせえなって」

「ううううるせえ!!!!!!!」

真っ赤になって叫ぶ鬼は健介というらしい。名前も見た目も人間みたいなのにな、というと角と"少し"発達した身体能力以外なんら人間と変わらないらしい。人間が勝手に忌み嫌い、石を投げ、棒で殴るのだという。

「…てか、お前人間なのに俺助けていいのかよ」

「仕方ねえだろ、死にかけてる奴を放置することとかできんだろ」

「…そうか……ありがとう」

「別に、礼なんかいらねえよ」

「ここに長居するわけにもいかねえしな…お邪魔し…っぅ…!!」

痛そうに顔をしかめてその場に座り込む。治療した時に足首は青紫色に変色していて歩けるような状況ではなかった。

「足治るまでいろよ」

「え、でも…俺がいたら迷惑になるし」

「怪我してる状態で出ていかれた方が迷惑だ」

くしゃりと髪を撫でてやれば健介は恥ずかしそうに目を伏せて「ありがとう」と小さくつぶやいた。








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パロ\(^P^)/中途半端ですがここでおしまい