*氷室、福井の家庭捏造
*東北のイメージ(実際がどうか全く知りません)


東北の冬は厳しい。雪とか普通に人の倍以上ある。よく人間が住めるよな、とか関心してしまう。

休日、得にすることもなく本を読んでいた。同室の紫原はお菓子を買いに行くと寮をでていた。静かでゆったりできる優雅な時間。優雅とは言いすぎかもしれないが高校に入って自分の時間というものが減っていた今、自分だけの時間はとても高価なものに思えた。今この瞬間までは

「ぎゃああああああああ!!!!!!!?」

隣の部屋から凄まじい叫び声と物が崩れ落ちる音がした。そこには一つ年上で少し小さな恋人がいる。今の叫び声はまさにその恋人のものだった。なにがあったのか気が気ではなく、ばたばたと走っていきドアをどんどんとたたく。中から「鍵空いてるから…」と死にそうな声が聞こえた。ばたばたと中に入るとクローゼットから布団や鞄など色々なものが出てきていていた。俺はため息をつきながらものをどかして先輩を引っ張りだす。先輩はぱたぱたと埃を叩いて申し訳なさそうにして見てきて、身長差でどうしても上目遣いになるのできゅんとしてしまう。

「うう…すまん」

「構いませんよ…で、どうしたんですか?」

「あー…いや、こたつ…」

「こたつ?」

先輩が指差した先にあったのは一つのこたつ布団。どうやら先輩はこの布団を取り出そうとして失敗し、そのまま押しつぶされたようだ。一人でするのも大変そうだったので片付けとこたつの設置を手伝った。

「ふう…大体終わりかな…?」

「お疲れ様です先輩」

「いや、手伝ってくれてさんきゅ」

先輩がこたつに入りまったりとしはじめたのですかさず後ろから抱き締めるように中に入った。苦笑しながら軽く腕をのばして頭を撫でてくれる先輩に思わず笑みがこぼれる。

「それにしてもこたつって気持ちいいですね……」

「え、何だよまさか冬こたつを使わなかったーとかじゃないよな?」

「え、あ、まあそうですね」

俺の家は洋風だったのでこたつではなく暖炉だったし、こたつを必要としなかった。

「俺んとこは妹とかばあさんとかいたからなあこたつと必需品だったぞ時々場所の奪い合いとかあったし」

「へえ楽しそうですね…」

「氷室ん家ではなかったのか?」

「ええ、父も母も忙しいので」

「あー…そうか…」

先輩の声の調子が悪いことを聞いてしまった、という暗いトーンにかわった。その様子にクスリと笑うと抱き締める力を強くする。

「こうやって好きな人と一緒にゆっくり過ごせるっていうのは憧れでした」

「そうか…」

「ありがとうございます」








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何が書きたいか全く理解できないです